腐肉と陽炎
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/08/10 09:26:44
陽炎がアスファルトを融かす。
都市という名の巨大な墓標。
そこから立ち上る、腐敗した欲望の死臭。
ビリー・ホリデイが、耳元で低く嗤(わら)う。
『奇妙な果実』。
かつて南部の大地に吊るされた黒い肉は、
今や、この世界の至る所で路頭に転がっている。
変わったのは、肌の色ではなく、引き金の軽さだけだ。
『奇妙な果実』。
かつて南部の大地に吊るされた黒い肉は、
今や、この世界の至る所で路頭に転がっている。
変わったのは、肌の色ではなく、引き金の軽さだけだ。
救いなど、最初から誰も信じていない。
十字架は裏路地のゴミ溜めに捨てられ、
聖者の祈りは、弾丸の風穴に掻き消される。
血の流れない夜など、この世界には存在しない。
十字架は裏路地のゴミ溜めに捨てられ、
聖者の祈りは、弾丸の風穴に掻き消される。
血の流れない夜など、この世界には存在しない。
神が冷淡なら、俺はさらに冷酷であるべきだ。
情けをかけた男の、死体袋の重さを知っている。
正義を語る奴の、脳漿(のうしょう)の色の濁りを知っている。
情けをかけた男の、死体袋の重さを知っている。
正義を語る奴の、脳漿(のうしょう)の色の濁りを知っている。
歪む景色の向こう、また一つ果実が落ちる。
肉が爆ぜ、骨が軋む音だけが、
この乾いた世界の、唯一のリアルだ。
肉が爆ぜ、骨が軋む音だけが、
この乾いた世界の、唯一のリアルだ。

























