真夏の陽炎
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/08/10 11:41:59
草のうえには あかるい真昼のしづけさが満ち
だれもゐない径(みち)を 光だけが歩いてゐる
風はどこかで 微睡(まどろ)む梢にわすれられ
青い空のすそを ひそかに揺らしてゐるのだった
だれもゐない径(みち)を 光だけが歩いてゐる
風はどこかで 微睡(まどろ)む梢にわすれられ
青い空のすそを ひそかに揺らしてゐるのだった
あすこに見えるのは 揺らめく水のまぼろし
ゆきすぎる季節の うすいリボンのやうに
ひとつの名前が 白く燃えつきては
かすかな記憶の底へ ほどけて消える
ゆきすぎる季節の うすいリボンのやうに
ひとつの名前が 白く燃えつきては
かすかな記憶の底へ ほどけて消える
あなたはそこに たたずんでゐるのだらうか
もう届かない はるかな九月の窓から
僕をみつめて 優しくほほゑむだらうか
もう届かない はるかな九月の窓から
僕をみつめて 優しくほほゑむだらうか
陽炎はただ あをじろい夢のやうに立ちのぼり
追ひかける僕の指先を すりぬけてゆく
すべては真夏の ひかりのなかの出来事だった
追ひかける僕の指先を すりぬけてゆく
すべては真夏の ひかりのなかの出来事だった

























