真夏の陽炎 最終
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/08/10 11:45:31
あかるい雲が 青い山脈のうえに湧きあがり
林のなかの径は 木漏れ日の斑(まだら)に濡れてゐる
風はどこかで 小さなオルゴールを鳴らすやうに
乾いたひかりの葉を ひそかに揺らしてゐるのだった
林のなかの径は 木漏れ日の斑(まだら)に濡れてゐる
風はどこかで 小さなオルゴールを鳴らすやうに
乾いたひかりの葉を ひそかに揺らしてゐるのだった
あすこの地平に 揺らめく水のまぼろし
それは僕が いつか置き忘れてきた日々のやうに
ひとつの歌が 熱い大気に燃えつきては
かすかな時間の底へ ほどけて消える
それは僕が いつか置き忘れてきた日々のやうに
ひとつの歌が 熱い大気に燃えつきては
かすかな時間の底へ ほどけて消える
少年だった日の あの遠い眼差しは
もう届かない はるかなノートの余白から
今の僕を 静かにみつめてゐるのだらうか
もう届かない はるかなノートの余白から
今の僕を 静かにみつめてゐるのだらうか
陽炎はただ あをじろい夢のやうに立ちのぼり
追ひかける僕の指先を すりぬけてゆく
すべては真夏の ひかりのなかの出来事だった_
追ひかける僕の指先を すりぬけてゆく
すべては真夏の ひかりのなかの出来事だった_
光のなかに すべての音は死に絶え
だれも歩かない径に ただ真昼がせき止まる
風はとほい樹々の梢に 身を隠したまま
眠る大気の底で ひそかに息をひそめてゐるのだった
だれも歩かない径に ただ真昼がせき止まる
風はとほい樹々の梢に 身を隠したまま
眠る大気の底で ひそかに息をひそめてゐるのだった
あすこの地平に 揺らめく水のまぼろし
それは僕が いつか夢にみた永遠のやうに
ひとつの名前をもたない時間が 白く燃えつきては
かすかな灰のやうに 記憶のすそへ消える
それは僕が いつか夢にみた永遠のやうに
ひとつの名前をもたない時間が 白く燃えつきては
かすかな灰のやうに 記憶のすそへ消える
すべてのものは 深く眼を閉じてゐるのだらうか
もう戻らない はるかな子供のころの午後のやうに
世界は静かに 僕を忘れてゆくだらうか
もう戻らない はるかな子供のころの午後のやうに
世界は静かに 僕を忘れてゆくだらうか
陽炎はただ あをじろい夢のやうに立ちのぼり
追ひかける僕の指先を すりぬけてゆく
すべては真夏の ひかりのなかの出来事だった
追ひかける僕の指先を すりぬけてゆく
すべては真夏の ひかりのなかの出来事だった

























