雪の夜の挽歌
- カテゴリ:小説/詩
- 2026/08/16 10:31:56
汽笛がひとつ 暗い雪のなかに消えてゆく
それはもう 二度ともどらない昭和の夜
私はひとり 青い寝台(ベット)に身を横たへ
窓をたたく 白いまたたきを見つめてゐる
それはもう 二度ともどらない昭和の夜
私はひとり 青い寝台(ベット)に身を横たへ
窓をたたく 白いまたたきを見つめてゐる
凍てついた硝子窓のむこう また一つ
名もない駅のともしびが 遠ざかつてゆく
あのあかりのしたに かつて私の愛した
やさしい日々の 幻が佇んでゐるやうな気がして
名もない駅のともしびが 遠ざかつてゆく
あのあかりのしたに かつて私の愛した
やさしい日々の 幻が佇んでゐるやうな気がして
いまはもう どこを走つてゐるのだらう
重くただよふ石炭の煙と 雪のにおい
車輪のひびきだけが 私のさびしさを刻んでゆく
重くただよふ石炭の煙と 雪のにおい
車輪のひびきだけが 私のさびしさを刻んでゆく
夜がふかまる すべてはすぎてゆく夢のやうに
この凍える夜汽車は 独りきりの私をのせて
かなしい追憶の底へ はしりつづけてゐる
この凍える夜汽車は 独りきりの私をのせて
かなしい追憶の底へ はしりつづけてゐる

























