Nicotto Town ニコッとタウン

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無常の月2

仲間も友も何もない。結構だ。
吹き抜ける夜風が、私の唯一の連れ。
誰の涙も背負わず、誰の期待にも応えない。
コートを深く羽織り、
消えかけた街灯の下、ただ足跡を刻んでいく。
裏切りに怯える日々は、とうに捨て去った。
最初から何も持たなければ、失う痛みなどありはしない。
傷跡は男の履歴書。
誰にも読ませる気のない、不器用な生き方の証明。
冷えた硝子に映る、自分の乾いた瞳。
「これでいい」と、煙草の煙に言葉を託す。
馴れ合いの温もりなど、この凍てついた街には不釣り合いだ。
誰も追ってくるな。
誰も俺の名前を呼ぶな。
何もかもがないこの暗闇こそが、
私が選んだ、最高に贅沢な居場所なのだから。
灰が落ちる。
夜が深まる。

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