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滑歌


朱雀は恋というか恋愛系の詩をほとんど書きません。
よく詩の投稿サイトなどで見かける「あなたのことが
こんなに好きっ!」って感じのスットコドッコイな恋愛詩は
苦手で、読むだけでとても疲れます。(笑)

で、たまに朱雀が書くのは大抵遊女をモチーフにした
妄想の恋歌です。

これはもう完全にひとつの物語として書いているので、
作っている時も普段書いている詩とは全く別の楽しさが
あります。

昨日UPした詩「侘歌」もそのひとつで、そのコメントに
天王寺mioさんが「遊女の歌で三千世界の烏を殺し…と
言うのがあるのですが…」と書いて下さっていて、思わず
ニンマリしてしまいました。(笑)

これは「三千世界の烏を殺し主と朝寝がしてみたい」という
高杉晋作が作った都都逸なんですね。

実は朱雀はこの都都逸から妄想を広げた遊女の恋歌を
カラス尽くしで書いてるんですよ~。(笑)

てことで、今日はその詩をUPです♪

またこれは詩画にもなってますので良かったらそれも見て下さい。

この詩と詩画は本人かなり気に入ってます。(爆)

http://homepage3.nifty.com/complass/poem/numeriuta.jpg

イラストのキセルは比翼煙管と言って吸い口が二つに別れていて
二人が同時に喫煙できるキセルで、遊女が考案したと言われて
います。


滑歌(ぬめりうた)

――三千世界の烏を殺し

      主と朝寝がしてみたい――

寝物語の睦言に

誰がうとたか漫歌(そぞろうた)

熊野の牛王(ごおう)を裏返し

誓紙の徴(しる)す心底を

戯(たわむ)れごとと

笑み曲ぐ君様


郭(くるわ)の網が絡みつく

大門超えた恋所(こいどころ)

現事(うつつごと)と知りながら

八咫(やあた)の烏に願掛けりゃ


扶桑の枝で かあと鳴き

血反吐を吐いて那落に落ちる

破約の責めを鏡に映す


洒落のわからぬ明鴉(あけがらす)

慈鳥と呼ぶか

阿呆烏(あほうがらす)と罵ろか

ほんに苦界は烏兎怱怱(うとそうそう)


誰か烏の雌雄を知らん



※めっちゃマニアックなので語句解説をどうぞ。(笑)

滑歌:江戸時代に遊里を中心に流行した小歌で遊客に
口ずさまれた。

熊野の牛王:烏文字でデザインされた熊野三社が発行
する牛王宝印という護符。
熊野の牛王はあらゆる災難から護ってくれる御神符で
その裏は起請文や神にかけて誓いをする時に相手と
取り交わす誓紙として用いた。
誓約を破ると神の使いであるカラスが一羽死に、本人も
血を吐き地獄に堕ちると信じられ、江戸時代には遊女と
客が取り交わす誓紙にも熊野牛王が使われていた。

笑み曲ぐ:眉や口を曲げるほどに笑う。大いに笑い喜ぶ。

郭の網:遊里(遊郭)につとめる遊女が身に受けている
束縛をたとえていう。

大門:遊郭の入口にある門。新吉原のものは特に有名。

恋所:遊里。遊郭。色里。

八咫の烏:八咫烏(やたがらす)のこと。
神武天皇が東征の時、熊野から大和へぬける山中の道案内
として天照大神のお告げで飛来したという神話の中のカラス。
中国の伝説では太陽の中にいると想像された三本足のカラス。
(三は陰陽説の陽に属す)
この伝説から太陽の異称。

八咫の咫(あた)は上代の、長さを計る単位の一つ。
親指と人さし指とを広げた長さをいう。
古代人は七までしか数の認識がなく、咫の八倍となる八咫は
非常に大きいことや、長い事を指す。

扶桑:昔、中国で太陽の出る東海の中にあるといわれた神木。
世界樹または、太陽。

明鴉:夜明け方に鳴くカラス。またその声。
近世、男女の朝の別れの情緒を表現するのに用いた。

慈鳥:カラスの異名。

阿保烏:カラスを卑しめ罵っていう語。
転じて、愚かな者をたとえていう。

苦界:仏語で、苦しみの多い世の中。人間界。
または遊女の世界。遊女のつらい境遇。

兎烏怱怱:月日のたつことの早いさま。

誰か烏の雌雄を知らん:「詩経‐小雅・正月」から烏の雄(おす)
雌(めす)の区別がつきにくい事にたとえて、人の心や物事の是非
善悪などなかなか判定しにくいものであるの意。

#日記広場:日記

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2009/11/13 19:17
順正さん

そのフレーズね、みんなそこに目がいくというか引っかかる
みたいです。(笑)

以前、朱雀の詩人仲間から「八咫の烏」を「やたのカラス」で
なく「やあたのカラス」にしてるのはなぜ?と突っ込まれた
ことがあるんです。

確かに七五調のリズムを壊さない「やたのカラス」の方が
いいのかもしれませんが、そのフレーズ自体とっても自然に
出てきて、それが「やあたのカラスに願かけりゃ、扶桑の枝で
かぁと鳴き」だったのでそれが当たり前というか、全然
気にしてなかったんですよね~。

で、純正さんもそこが朱雀らしいと仰る。
なんか面白いな~。(笑)
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2009/11/13 19:07
のんたん

ありがと~。

遊郭の世界って色んなしきたりや決まりごとが沢山あって
それをさり気なく表現するのはとても難しいんですよね。

ちょこっとでもそういう感じを出せたらいいなぁと思って
詩もイラストも作ったので、雰囲気が出てると言われると
ホッとします。
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2009/11/13 19:00
はるちゃん

ありがと~。

妄想しまくってるので、せめて語句解説ぐらいつけないと
さっぱり分からないと思います。(笑)

詩画を見て下さる人にはなんとなく雰囲気を感じて頂けたら
いいと思っているので、イラストと詩がぴったりだと言って
貰えると超嬉しいです♪


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2009/11/13 18:55
ふゆかさん

ありがと~。

朱雀はいまどき超レトロなマウス絵描きなのでこのイラストを
描くのにとんでもなく時間が掛かっています。(笑)

実は着物の模様は一から自分でテクスチャを作って、それを
5枚ぐらい重ねているんですね。
それだけで3日ぐらいかかっていて、また元のイラストのサイズが
大きいこともあって全部合わせると1ヶ月以上かかってます。(爆)

なので褒めてもらえると物凄くうれしいです。(笑)
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2009/11/13 18:53
天王寺mioさん

ありがとう~。

天王寺mioさんは都都逸がお好きなんですか?

朱雀は以前、イラストと都都逸で綴る遊女の恋物語
「絵草紙~籠」というのを自分のHPでやってました。

季節の花を題材に遊女の恋模様を都都逸にして、花と遊女の
イラストをそれに合わせたものなんですね。

今はサイトから下げてますが、またそのうち復活したら
それもみてやって下さいね~。
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2009/11/13 17:04
八咫の烏に願掛けりゃ 扶桑の枝で かあと鳴き

 ↑ こう表現するのが、スザクさんらしいねw


( ・・今宵お主の源氏名を 尋ねる程の野暮じゃなき

拙者は名も無き旅がらす このやま越えて戻れたら

郭の網を緩めると 爪も染めずにいてくれと 心をしたため明鴉

無口に護符を握り締め 先に語るは阿保烏。。 )
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2009/11/13 10:13
HP見させてもらいました^^
おいらは、こういったお歌は、よぉわからんのですが・・・今回は解説もあり光が見えたかも^^;
遊女もおなごはんやし雰囲気ようでてますぇ
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2009/11/13 08:46
朱雀さんのイラストは幻想的だから妄想の恋歌(!?)にぴったりですね。
語句の解説つきはわかりやすくて素人にはありがたいです。
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2009/11/13 00:53
ほんとにきれいな絵です…うっとり。。
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2009/11/13 00:34
絵がすごくお上手ですね。
「三千世界も・・・・・」も好きなのですが、「年期(ねん)があけたらお前のそばへ、きっと行きます断りに」という歌も好きです。
なんだか女のしたたかさ、図太さが出ていて。
それでも強く生きていくんだなと思います。




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