ヤツフサさんの日記 | ニコッとタウン

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赤鼻のトナカイ

カテゴリ：日記
2009/11/25 01:15:48

初めてサンタクロースを知ったのは幼稚園でした。

幼稚園の先生が「みんなのおうちにはサンタさんがちゃんと来てくれるかな？」

と言って居たので、早速家に帰って母親に「サンタさんってなに？」

とか聞いていたと思います。

その年からサンタさんが家にプレゼントを置いて行くようになりました。

ですが２年位でサンタさんは来なくなりました。

何故来なくなったかと言えば、おじいさんの入院、死亡、親父の入院と続いて

家計が火の車になってしまったからです。

以来その家にサンタは来ないものとして、封印されてきました。

そんな寂しいガキが大人になって働くようになりました。

街中では「恋人がサンタクロース」等と言うふざけた歌が流れ、

冬のボーナス貰ってウハウハな奴らが楽しそうに買物をしている中、

クリスマスだからと言っても何も変わらず普通に運送屋でバイトをしていました。

そんな日に限って雪が降っており、世間様ではホワイトクリスマスだと喜んで

いたのですが、配達している奴にとっては雪は渋滞の素・・・

だからと言って急いで配達をして事故でも起こしたら大変です。

気持ちばかりが焦るのですが、配達は全然終わりません。

ようやく最後の配達の家に付く頃には、もうあたりは真っ暗でした。

最後の家は小さなお庭にクリスマスツリーが飾ってある可愛いお家でした。

小さな門の脇にあるインターフォンのスイッチをを押すと、インターフォンの

スピーカーから女性の声で門を開けて玄関まで来てくださいとの事、

門を開けて玄関までは小奇麗なブロックの上に雪が沢山積もっていました。

最後の荷物だから急いで玄関まで行こうとした時・・・

つるっ

荷物をかばう為に両手を上に上げて何とか荷物に傷を付けないで済みました。

ですが玄関で配達の人が転んでいる所を見て居た家族はどう思うでしょう？

荷物が傷物になって喜ぶ人は居ません。

配達していたアホはそればかり気にしていました。

自分は受身も取れずに顔面から雪の積もったブロックに顔面を打ち付けて

雪まみれになっていましたが、それどころではありません。

慌てて起き上がると既に玄関は開いていて、ちょっと心配そうにこちらを見ている

奥方らしい若い女性が居ました。

配達人「すみません転んでしまって、荷物に傷は無い様にしましたが、もし万が一

　　　　　傷物になっていたら会社まで電話してください」

若い奥方「大丈夫ですか？　雪が降って大変ですね」　ﾌﾟﾌﾟﾌﾟ

そんな会話をして、受け取りの判を貰っていると、家の奥から兄弟と思える

子供が二人駆け出してきました。

兄弟１「ねぇ！　おじさんはサンタクロース？」

兄弟２「違うよ！　どう見てもトナカイだろ！」

家族　爆笑

配達人「？？？」

そんなこんなで最後のおうちを離れて車に乗って帰ろうとしたとき、

ようやく配達人は自分が雪まみれな事に気が付きました。

受身も取れず思いっきり転んだので、体がジンジンと痛くて雪まみれになって居た事に

気が付かなかったのです。

このまま車に乗ったら車の中はベタベタになってしまうと思った配達人は、

服に付いた雪を払おうとふと自分の服を見ました。

すると

あれっ？

雪が赤いや

そう、血がついていたのです。

怪我をしたのかと思って、体のあちらこちらを触ってみるのですが、

全身を強打していて何処を怪我しているのかわかりません。

車のバックミラーで自分を見て確認しようとした時、

ようやく自分が鼻血を出している事に気が付きました。

皆知ってるかい？

サンタクロースの連れているトナカイの鼻が赤いのは、

雪で転んで鼻血を出してるからだよ。

おしまい

クリスマスイブに家へ侵入する奴をサンタだと思うなよ
ちゃんと鍵掛けて寝ろよ！
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