詩「風の数え方」
- カテゴリ:小説/詩
- 2008/10/12 00:07:12
緑の木々を抜け
森の中をずっと奥へ
とても幸せで甘い夢を見た
周りには何も無く
ただ、鮮やかな緑が広がっていた
あたしはあなたと笑い合いながら
どこまでも続く森の中を歩いてた
疲れたら木立の蔭に座り
ひだまりに素足を投げ出して
とりとめのない話をしたり
風の歌に耳をすましたりした
あなたのことを思うとき
いつも心は穏やかだった
苛立ったり怒ったりしない人だったから
あたしはいつも安心していられた
あたしは夢の中でいつも幸せだった
そう夢の中で
実際に触れ合う時間より
夢の中で逢うほうがはるかに長かったから
あたしは時々あなたの実態を見失いそうになる
あなたが優しければ優しいほど
胸が苦しくなる
しあわせとかなしみが
とても近い場所にあるってこと
あたしはあなたに教わった
やさしさとつよさもまた
だけどせつなさは消えない
どんなに幸せな時間があったとしても
指先が触れそうで、でも触れ合えなくて
その僅かな距離をせつなさと呼ぶなら
あたしはそのもどかしい距離をずっと
胸に抱えたまま生きていくんだろう
過去は遠く、薄れていく
なのに確かなはずの現在がなぜこんなにも不確かなのか
いつかはそちら側へもって行かれるからなのか
あなたが今頃何を見て
何を感じているのかわからないから寂しいのだろうか
あなたともう一度
風の音に耳を澄ますことができたら
きっとそれだけで報われるのに
風の色が今は見えない
だから不安はつのるけど
触れ合えそうな僅かな距離を
埋めようとしてくれるあなたがいるから
泣き出しそうな気持ちを抱えながらも
あたしはこうして微笑んでいられる
あなたもきっと同じように
哀しみを抱えているのだろうと思うけど
風のかぞえ方が分からなくなったら
耳をすまして
あの日の風の音を思い出してね
あたしはずっとあの場所にいるから
なぜ今季節が秋なんだと10月を憂う(´;ω;`)ウッ…
また春に読みたいっす♪
次回をお楽しみに! というのは冗談ですが いい詩ですね! 才能あるわ!