Nicotto Town


ヤツフサの妄想


狐忠臣蔵

ニコットおみくじ(2009-12-27の運勢)

おみくじ

日曜日だと言うのに熱が上がってうなされているヤツフサ。

母がお見舞いに買ってきた葛根湯を飲んで、晩御飯を作る気力も無いまま

米朝の「除夜の雪」を聞きながら、カップうどんを食べてコタツでゴロゴロ・・・

ヤツフサ「うーん、このまま年を越したら嫌だなぁ・・・」

と言いながら、やっぱり焼酎を取り出す。

仕事をしていれば誰と言うわけではないが、季節感のある会話もあるだろうが、

一人でコタツに入って熱出してうなされている今のヤツフサには、年末も何もあったものではない。

そう言えば医者に貰った薬が切れて何日になるだろう・・・

そんな事を考えながら、焼酎をCCレモンで割って飲みながら咳をしているうちにうとうととする・・・



気が付くとヤツフサは大須観音に居た。

年末の大須商店街は大好きであった。

10年前のヤツフサなら、ジャンク屋に入り浸りで帰ってこなかったことだろう。

使えるのか使えないのかわからない、でも自分が目を掛けたらもしかして使えるかも知れない

と思う様なジャンクパーツは、ヤツフサにとっては自分の分身のようで、直に捨てられても

おかしくないゴミ一歩手前の物を飽きもしないで眺めていた事だろう。

しかし何年か前から、メイド喫茶やらアニメショップが出来、女子高生相手のブティックが

違法すれすれのパソコンショップを追い出して店を沢山出し始めてから、年末だからと言って

大須商店街に行く事は無くなっていたのだ。

ヤツフサ「うわぁ~ 大須も変わったなぁ・・・」

商店街のアーケードを、昔と違って多くの女の子が歩いている中を、なんだか歩き辛そうに

人の居ない方へと逃げるようにして歩いていく。

何処に行くと言う当てもない。

なんとなくぶらぶらしていると、ふと人通りがぱったりと絶えた場所に出た。

ヤツフサ「ありゃ、ここは大須演芸場の前じゃないか!?」

そう、大須商店街の真ん中にあるにもかかわらず、いつも人通りが無い場所。

大須演芸場の前にいつの間にかきてしまったのだ。

最近落語に興味があるヤツフサ、一度寄席に入ってみたいとは思っていた。

しかしこのさびれた演芸場は、なんと言うか入りにくい。

噂ではいつも客は2~3人しか居ないとか言う話も聞く。

出し物も落語専門ではないので、手品やらアコーディオンの演奏やら、南京玉簾等が

やっているらしいのだが、なんとなく敷居が高くて一度も入った事が無いのだ。

しかし今は何処にも行けない。

綺麗に着飾った女の子が喜んでいる中華料理屋も、強面の男女が居るタトゥーの店も、

冬物のバーゲンをして若い女の子が集まって来ているブティックも、カッコイイブーツが

並んでいるお店も、ヤツフサには興味が無かったからなのだ。

ぶつぶつ言いながら、寄席の前をウロウロしていると・・・

大須演芸場の出し物に目が止まった。

ヤツフサ「ん? なになに? 狐忠臣蔵? そうか~ 年末だから忠臣蔵なのね~ 

      でも忠臣蔵をやるなら、14日前後じゃない? それに狐ってなんだ?」

いつもなら気になっても勇気が出ないヤツフサだったが、何故かその時に限ってどうしても

狐忠臣蔵が見たくなって、初めて大須演芸場に入ったのだった。



恐々入口で木戸銭を払いそーっと中に入っていくと、既にお芝居は終わりかけていて、

場面は討ち入りの所だった。

そして舞台には、なんと47匹の狐が立っている!

ヤツフサ『ちょwww 狐芝居www』

1匹の狐がドンドンと陣太鼓を鳴らすと、一斉に吉良上野介の首を討ち取るべく、

狐たちがドドーっと舞台を駆け回りだした。

ヤツフサ『よくわかんないけど面白いなwww』

とじーっと見ていると、どうやら討ち入りしたものの、吉良が見つからないと言う様子。

ヤツフサ『ここで隠し部屋とかを発見して、話が進むんだろうな~』

とのんきに見ていると、1匹の狐が

狐「ややっ!、こっちが怪しいぞ!」

と言って、客席に飛び込んできた。

ヤツフサ『面白い趣向だなぁwww』

と周りを見ると、なんと客はみんな狐。

ヤツフサ『ちょwww 人間は俺だけなのかwww』

ビックリして居ると、鎖かたびらの狐が駆け寄ってくる。

狐「むむっ! 怪しいにおいがする! お前が吉良だな!」

ヤツフサ「ほへ?」

あっという間に、ヤツフサは47匹の狐に取り囲まれてフルボッコ・・・

狐1「たぬきの癖に芝居を見に来るとはいい度胸だ!」

ヤツフサ「ちょwww タヌキじゃないっすwww」

狐2「どう見てもタヌキだろ!」

そしていい加減フルボッコにされたとき、舞台の幕が閉まる拍子木の音が。

チョーン

チョーン

うーん・・・

さむっ・・・

チョーン

チョーン

あれっ・・・

またコタツで寝てたのか。

チョーン

チョーン

何の音だろう、と気になって表を見ると。

外には火の用心の消防団が、拍子木を持って団体で歩いていました。


おしまい

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2009/12/29 21:51
>桃色珊瑚様
ここに討ち入りしても吉良は居ませんwww
でもいいなぁ~
僕も討ち入りしたいっすwww
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
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2009/12/28 19:50
www 偶然ですが 討ち入りのいでたちで巡回中でしたwwww
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2009/12/27 23:29
>ななお様
あっ! タイトルを変更する直前にご覧になられたのですね (^_^;)
病院に行く気力が無いと言うのか、だんだん面倒になってしまいます Orz
早く治す為に医者に行ってきますね。 <(_ _)>
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2009/12/27 23:26
明日にはまた病院へ行って来ましょうね^^
早く治りますよ~



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