Nicotto Town



四季

季節は、冬。
冷たい風と、しんしんと積もる雪。
そんなとき、人々は言いました。
「早く、春が来ないかな」
と。

季節は、春。
温かな日差しと、花弁を纏った東風。
そんなとき、人々は言いました。
「早く、夏が来ないかな」
と。

季節は、夏。
じりじりとした暑さと、木々に響く蝉しぐれ。
そんなとき、人々は言いました。
「早く、秋が来ないかな」
と。

季節は、秋。
紅葉の赤と黄色と、涼しさを帯びたつむじ風。
そんなとき、人々は言いました。
「早く、冬が来ないかな」
と。

季節は、冬。
また繰り返す季節。
先が見えた結末。
だから、もう喜べない。

そんなとき、人々は言いました。
「いつか、戻れるといいね」
と。

かつて、
四季がくることを期待した、あの頃に。

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2016/03/05 11:16
Liddellさん、ショウリチャードさん。ありがとうございます。
海外渡航の機会がなかった自分にとって、
とても貴重な意見を頂き、嬉しく思っています。

四季がある国は珍しいと、聞いてはいました。
そういう意味で、我々日本の人は恵めれているのかも知れません。

今回は、
日本人にとって当たり前の事である「四季の移ろい」を喜べなくなってしまった、という設定です。
四季が来ることを当たり前と感じる中で、高揚感を失っていく人々。
今の日常を喜べない、満足できない。そんな現代人のようです。

人は、普段感じている幸せを、上手に享受できていないことが多いそうです。
失ってしまってから気付くこと、自分も沢山あります。

近い将来、温暖化の影響で、冬という季節が無くなるとも言われています。
その時になって、四季の大切さに、人々は気付くのかも知れません。


そんな儚さにも似た気持ちを、綴ってみました。
長文となり、すみません。
改めて、ありがとうございました。
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2016/02/22 14:09
四季を満喫できる日本は、とても素晴らしいと思う。
自分は、5歳まで海外で暮らしていたから季節なんて夏と秋しかなかった。

だから自分が初めて日本に来た時、季節は冬で丁度東京全体が雪化粧でした。
そして何か月かで春を迎えて桜を見たとき、こんな美しい国があるなんて!?
と感動しました。(感動した直後「忍者の国最高!」って叫んだのは今じゃいい思い出)
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2016/02/22 13:59
これを読んでいて、ふと思ったのは
四季というのは日本くらいにしかありませんよね
外国は1年中寒かったり暑かったりする国が多いです。

ですから、四季というものは日本独自のものなんですよね。
こうやって四季を待つのも、日本に居るからなんでしょうね。

皆さんそれを忘れがちですが、それを新ためて思わせてもらえる。
素晴らしい詩だと思います^^



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