四季
- カテゴリ:小説/詩
- 2016/02/21 23:10:38
季節は、冬。
冷たい風と、しんしんと積もる雪。
そんなとき、人々は言いました。
「早く、春が来ないかな」
と。
季節は、春。
温かな日差しと、花弁を纏った東風。
そんなとき、人々は言いました。
「早く、夏が来ないかな」
と。
季節は、夏。
じりじりとした暑さと、木々に響く蝉しぐれ。
そんなとき、人々は言いました。
「早く、秋が来ないかな」
と。
季節は、秋。
紅葉の赤と黄色と、涼しさを帯びたつむじ風。
そんなとき、人々は言いました。
「早く、冬が来ないかな」
と。
季節は、冬。
また繰り返す季節。
先が見えた結末。
だから、もう喜べない。
そんなとき、人々は言いました。
「いつか、戻れるといいね」
と。
かつて、
四季がくることを期待した、あの頃に。
海外渡航の機会がなかった自分にとって、
とても貴重な意見を頂き、嬉しく思っています。
四季がある国は珍しいと、聞いてはいました。
そういう意味で、我々日本の人は恵めれているのかも知れません。
今回は、
日本人にとって当たり前の事である「四季の移ろい」を喜べなくなってしまった、という設定です。
四季が来ることを当たり前と感じる中で、高揚感を失っていく人々。
今の日常を喜べない、満足できない。そんな現代人のようです。
人は、普段感じている幸せを、上手に享受できていないことが多いそうです。
失ってしまってから気付くこと、自分も沢山あります。
近い将来、温暖化の影響で、冬という季節が無くなるとも言われています。
その時になって、四季の大切さに、人々は気付くのかも知れません。
そんな儚さにも似た気持ちを、綴ってみました。
長文となり、すみません。
改めて、ありがとうございました。
自分は、5歳まで海外で暮らしていたから季節なんて夏と秋しかなかった。
だから自分が初めて日本に来た時、季節は冬で丁度東京全体が雪化粧でした。
そして何か月かで春を迎えて桜を見たとき、こんな美しい国があるなんて!?
と感動しました。(感動した直後「忍者の国最高!」って叫んだのは今じゃいい思い出)
四季というのは日本くらいにしかありませんよね
外国は1年中寒かったり暑かったりする国が多いです。
ですから、四季というものは日本独自のものなんですよね。
こうやって四季を待つのも、日本に居るからなんでしょうね。
皆さんそれを忘れがちですが、それを新ためて思わせてもらえる。
素晴らしい詩だと思います^^