Nicotto Town


シグキーリア


アラキの大冒険part2第6章 その④


   アラキの大冒険part2第6章 その④

  「・・・・・・もう思い残すことはないよ。
 好きにして」
 僕がそこまで言った時、恐らくアノートが放ったと
 想われる『かえんほうしゃ』が僕に飛んできた。
 「・・・ってあっちぃなぁオイ!!」
 僕はその攻撃をまともに喰らいついそう叫んだ。
 「・・・・・・今なんて言った?」
 アノートがそんな僕にそう言った。僕は、
 「・・・え、いや「熱い」って・・・」
 と言う僕の話が終わらない内に、
 「これ位で熱いとか言うなら殺して下さい的な
 事なんて言うんじゃないわよぉ!!」
 とアノートがそんな僕に雷を落とした。
 「・・・お、お姉ちゃんが泣いてる・・・・・・。
 あの滅多に泣かないお姉ちゃんが・・・・・・。」
 見るとアノートの目からは、大粒の涙が溢れていた。
 「一匹で何でもかんでも決めつけるんじゃ
 ないわよ!!まだ怒るとも焼き殺すとも
 言ってないじゃない!!」
 アノートは、涙を流しながら話を続ける。
 「厳選は仕方ないとは思うわよ!!こんな
 ガチ環境じゃ厳選だの乱数だのしなけりゃ実践
 個体なんて生み出せはしないわよ!!」
 そう涙を流しながらアノートは、話を続ける。
 「だからそれについては怒らないけど貴方のその
 態度には怒るわ!!勝手に死にます宣言とか
 してるんじゃないわよ!!」
 そう涙を流しながらアノートは、さらに話を続ける。
 「こっちがそれについて怒ってる訳でもないのに
 僕は悪いから消して下さいみたいに長々と
 語るなんて!!」
 そう涙を流しながらアノートは、さらに話を続ける。
 「厳選個体逃がすよりそっちの方がよっぽど
 自分勝手よ!!勝手に死のうとしないでよ!!
 私だって・・・・・・私だって・・・・・・!!」
 そう涙を流しながらアノートは、
 そこで言葉に詰まって嗚咽する。
 「殺す気なんてさらさらないわよ!!
 もっとずっと一緒に居たいんだから!!」
 アノートは、いったん自分自身を落ち着かせると
 僕に涙を流しながらそう言い切った。
 「・・・え、今なんて・・・?」
 僕は思わずアノートにそう聞き返した。
 「・・・本当は人間界に帰ってほしいとは思って
 ないのよ・・・・・・。私はもっと君と一緒に居たい・・・!!
 本気でそう思ってる。」
 アノートは、涙を流しながら僕にそう言った。
 「それでもここに来たのは・・・貴方にも人間界の
 家族がいると思ったから、悲しい思いをさせちゃ
 いけないと思ったから・・・・・・っ!!」
 そこまで言うとアノートは、
 「だから・・・・・・本当は別れたくないんだよ・・・。
 だから殺してとかそんなこと言わないでよ・・・・・・!
 もっと楽しく過ごそうよ・・・!」
 そう僕にアノートが涙を流しながら懇願した・・・。

       アラキの大冒険part2最終章 その①に続く




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