Nicotto Town


シグキーリア


アラキの大冒険part3第2章 その②


   アラキの大冒険part3第2章 その②

  アノート達は、謎のポケモンに
 攻撃するが、あまりダメージは無いようだった。
 そして謎のポケモンの貯め攻撃の前に
 アノート達は倒れてしまった。
 こうしてアノート達は謎のポケモンとの
 勝負に負けてしまった。
 「ぐはっ・・・つ、強い・・・。」
 そう言ってアノートは、その場に倒れ込んだ。
 「ほう、我の攻撃を食らってまだ口がきける
 とは大した奴だ。そこのイーブイはもうダメ
 みたいだがな。」
 そう言って謎のポケモンは、不気味な笑顔を
 アノートに見せる。
 「!!?フ、フュール!」
 アノートは、そう言いながらフュールの
 方を見る。
 「あ、あううぅ・・・。」
 見るとそこには攻撃のダメージに呻いて
 いるフュールの痛々しい姿が目に映る。
 「ふふふっ、今日の獲物は貴様に決めた。」
 そう言って謎のポケモンは、不気味な笑顔のまま
 攻撃のダメージに倒れ呻いて抵抗出来そうに無い
 フュールに近づいていく。
 「(・・・だ、ダメだ・・・動けない・・・。)」
 謎のポケモンがフュールに覆い被さるような仕草を
 した次の瞬間!謎のポケモンもフュールもその場から
 消えてしまっていた。 
 「フュ、フュール!?
 フュール!?」
 アノートは、フュールの名前を呼ぶが、
 その声は、むなしく洞窟に木霊するだけだった。
 「クックック・・・。このイーブイは貰っていく・・・。
 殺しはしないから安心するがいい・・・クックック・・・。」
 暗闇の奥から謎のポケモンのいやらしい
 笑い声が木霊する。
 「そ・・・・・・そんな・・・・・・。」
 アノートは、まるで糸の切れた操り人形のように
 その場にヘナヘナと座り込んでしまった。
 「・・・フュールも・・・・・・アラキも
 いなくなっちゃった・・・・・・私は・・・・・・私は
 どうすればいいの・・・・・・!?」
 アノートは、両目から大粒の涙を流しながらそう言った。
 「お、おい・・・、どうしたんだよ・・・。」
 大粒の涙を流しながら嗚咽するアノートを見て
 クロノールはなるべく優しくそうっと声を掛ける。
 「・・・アノート殿・・・・・・泣いて・・・おられる・・・。」
 シザクが恐る恐るアノートの様子を見て
 そうぽつりと呟く。
 「私は・・・・・・私は・・・・・・っ!!
 友達はおろか自分の弟すら守れないなんて・・・っ!!
 うぅ・・・うぐっ、ぐす・・・・・・
 うわあああああああああああああああああああああああ
 あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!
 フュールうううううううぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
 アノートは、クロノールとシザクに抱きつき
 号泣した。そしてその声は洞窟中に反響していた・・・。
 一方の僕は・・・、
 (はぁ・・・はぁ・・・逃げなきゃ・・・
 出来るだけ遠くに・・・・・・。)
 僕はアノート達に後を任せ、「ひかりだま」の
 閃光の中をアノートに言われた通り只ひたすら逃げ続けた。
 (・・・だいぶ逃げてきたけど・・・。)
 僕は、肩で息をしながら辺りを見回す。
 どうやら誰も僕の後を追ってきては居ないようだ。
 (・・・アノート・・・フュール・・・。)
 僕は、振り返って2匹の事を考えていたが、
 (・・・いや、今は逃げることに集中しなきゃ。
 捕まったら二度とアノート達に会えなくなる
 かもしれない。折角できた友達なのに・・・。)
 そう考えると僕は弾む息を整えて
 小高い丘を越えていった・・・。

                 その③に続く




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