Nicotto Town


シグキーリア


アラキの大冒険part3第4章 その③


   アラキの大冒険part3第4章 その③

  「!?」
 その名前を聞いてアノートは、
 驚きのあまり心臓が飛び出してきそうだった。
 「・・・あのグレイシアが・・・アラキをポケモンに
 した張本人だったのね・・・・・・。」
 そうアノートが呟く。
 「面識があるのか?」
 そうシザクがアノートに問い掛ける。アノートは、
 「ミイケタウンで出会ったわ。それ以来
 会っていないけど・・・・・・。」
 とシザクに言った。
 「・・・・・・なら、彼女を探し出していろいろ
 聞かなくちゃね。」
 アノートは、意を決したようにそう言った。
 「例えば?」
 そう言ってクロノールは立ち上がり、
 アノートに詰め寄る。
 「何で貴方達に協力したのかとか。」
 クロノールに詰め寄られたアノートは、
 あさっての方向を見てそう言った。
 「確かに・・・それについては拙者も聞いていな
 かったしな。確認しておくべきか。」
 アノートのその言葉を聞いてシザクが、
 納得した様子でそう言った。
 「そもそもなんであいつが俺達に協力したのかすら
 解らないしな。」
 そう言ってクロノールはアノートから離れ
 ひとり考え込む。
 「で、貴方達これからどうするの?」
 そう言ってアノートは、シザクと
 クロノールの2匹を見る。
 「どうするのって・・・ここから出られなきゃ
 俺達は死ぬだけだろうが・・・・・・。」
 そう言ってクロノールは密閉された出入り口を
 かぎ爪で指しながらアノートを見る。
 「復讐をしようとして自らが死ぬかもしれない状況
 に置かれるとはな・・・。」
 そうシザクが、ポツリと呟く。
 「大丈夫よ。私が救助を頼んでおいたから、
 じきに来ると思うわ。」
 そう言ってアノートは2匹に微笑む。
 「・・・・・・そんで、俺らを差し出して捕まえてもらうん
 だろ?」
 そう言ってクロノールは横目でアノートを見る。
 「そんなことしないわよ。もし仮に救助ポケが
 貴方達を捕まえる様なことをしたら私が庇って
 あげるから。」
 アノートは首を横に振ってから、
 クロノールにそう言った。
 「・・・・・・なんでだよ。俺らはお前の友達をずっと
 追い回していたんだぞ?立派な
 誘拐犯じゃねぇか。」
 そう言いながらクロノールの目から
 涙が零れる。
 「それなのに俺らを許すとか、お前さっき
 落石でも当たって頭おかしくなったんじゃね?」
 クロノールは涙を流しながら
 アノートをかぎ爪で指して声高らかに笑う。
 「話を聞いて分かったもの。貴方達がそういう
 過去を背負ってやっていた行動だったって事。」
 とアノートは続けて
 「勿論私だってまだ許したわけじゃないわ。
 でも何でもかんでも悪者を捕まえれば解決する
 訳じゃないことも知っている。」
 そう言ってアノートは2匹を見て続ける。
 「それに貴方達が悪意でやっている訳ではない
 のも分かったし。」
 そう言ってアノートは2匹を見て話し続ける。
 「・・・・・・。」
 シザクは、黙ってアノートの話を聞いていた。
 「結局はお互いがちゃんとこういう風に話し
 合えば良かったのよ。この事故は
 話し合う丁度いい機会だったとも捉えられるし。」
 そう言ってアノートは2匹を見て話を続ける。
 「・・・・・・すまない。アノート殿・・・。」
 アノートのその言葉を聞いてシザクが、
 涙を流しながらアノートに謝罪する。
 「私に謝らなくていいわ。そのかわりちゃんと
 アラキに謝って。彼にもちゃんと過去の事を
 貴方達に謝ってもらうように言うから。」
 そう言ってアノートは2匹を見て約束する。
 「それでお互いがこの先の人生を保証されるん
 だからそれでおあいこでしょ?お互い謝る形でこの
 復讐は終わらせればいいのよ。」
 そう言ってアノートはクロノールを見た・・・。

                その④に続く




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