Nicotto Town


シグキーリア


アラキの大冒険part4序章 その③


   アラキの大冒険part4序章 その③

  「ですが、彼には普通に攻撃しても一切攻撃が
 通じません。その理由は、解りますか・・・?」
 とシナンは、僕達にそう聞いて来た。
 「・・・あらかた予想はついている。
 その対策もした。俺の予想が正しければこれで
 奴を倒すことも可能なはずさ。」
 とネルフがそう言ってシナンを見る。シナンは、
 「・・・流石はボルトールさんの息子さんだけの事は
 ありますね。貴方の予想は当たっています・・・。」
 とネルフを賞賛する。するとシナンは悲しそうな顔をして、
 「私も彼ほどではないですが、同じような生まれ
 でした。それが今でも残念です。」
 とそう言った。するとアノートは、
 「・・・ソウルと同じような生まれ方・・・?」
 とアノートが、驚きながらそうシナンに聞き返すとシナンは、
 「はい。でもそれがなんなのかはソウルに
 勝つことが出来たらお話しするとしましょう。
 もっともネルフさんは気付いている様ですが。」
 とシナンはネルフを見ながらそう言った。
 「さて、私を倒せないようであれば彼を倒す
 ことはできないでしょう。なので、ここで
 私が貴方達の力量を測らせていただきます。」
 と言うとシナンは、僕達を見ながら続けて
 「・・・・・・これが最後かもしれませんので・・・。」
 と呟くようにそう言った。僕は、
 (・・・・・・最後・・・?)
 といぶかしげにそう思った。
 「・・・・・・ポケモンは皆楽しくバトルをしたい。
 そうでしょう?貴方もポケモントレーナー、
 廃人ならわかるのではないですか?」
 とシナンは僕を見ながらそう聞いて来た。
 (・・・・・・。)
 僕が返事に困っているとシナンは、続けて
 「・・・・・・私達ポケモンは人間とともに、戦いを
 潜り抜けて絆を深める関係にあるのです。」
 とシナンは僕を見ながら続けて、
 「・・・もっとも、お互いが好きでいなければ
 この関係は生まれないのですが・・・。」
 とシナンは僕の方を見ると、
 「・・・アラキさん。
 ポケモンの事が好きですか?」
 とシナンは僕を見ながらそう聞いて来た。
 「うん。大好きだよ。ここでもこんなに沢山
 友達が出来たし。」
 と僕が彼女にそう言うとシナンは、
 「・・・それを聞いて安心しました。」
 とシナンは僕を見ながら続けて、
 「・・・私を・・・・・・楽しませて下さい。」
 とシナンは僕を見ながらそう言うと、
 「・・・お願いします。」
 と彼女は、僕達に深々とお辞儀をする。
 かくして僕達とシナンとの
 決闘が幕を開ける。
 シナンとのバトルは彼女の技
 「スノーブレイク」の氷耐性低下で
 苦戦を強いられたが皆で力を合わせ彼女に
 ダメージを与えてゆき遂に彼女に僕の
 放った「火炎放射」がヒットして
 彼女はその場に倒れ込む。
 かくして僕達とシナンとのバトルは
 辛くも僕達が勝利した。
 「・・・・・・流石ですね・・・。」
 と言うとシナンは、僕達を見ながらそう言った。
 そしてシナンはその場に立ち上がると、
 「・・・・・・ありがとうございます。
 貴方達のバトル・・・体感させていただきました。」
 と彼女は、始める時と同じように僕達に深々とお辞儀をする。
 「・・・・・・貴方達の絆の証のバトル・・・・・・
 ソウルにも見せてあげて下さい。
 彼はこの先で待ってます・・・。」
 と言うとシナンは、僕達の前から姿を消した。
 僕達が先に進むと道が3つに分かれていた。
 僕達は左の部屋に入るとそこには、
 誰かの日記帳が置いてあった。
 僕達は中身を読む。
 今日、またこの世界のポケモンを攫って改造した。
 勿論復讐の為だ。
 俺は普通じゃない、普通のポケモンになれない。
 だから、正しく生まれ、生きる者が憎かった。
 その感情は、今も変わっていない。
 今日はイーブイを攫った。こいつには姉がいた。
 必死に守ってくれる姉がいた。うざかった。
 そんなにも大切に思ってくれる存在がいることに
 俺は腹を立てた。
 だからこいつの体を利用してあの姉を痛めつけて
 やろうと思った。自分の弟に痛めつけられたら
 さぞかし悲しくなるだろう。そうだ、みんな
 そうなればいいんだ。
 けどこれは本当に俺がやりたいことなのか、
 最近疑問に思ってきた。俺は他のポケモンの幸せを憎み、
 壊す。でも相手は何も悪い事はしていない。
 何もしていない相手に俺は何やってるんだろうと、
 最近その考えが常に頭の中にある。
 ・・・そうだ、俺にはちゃんと復讐すべき相手がいる。
 だが俺にはできない。俺には対抗できない。
 どうしようもない。
 ・・・なら、最後の希望をあいつらに託してみるか。
 あいつの弟を乗っ取った俺を許してくれるほどの
 心の広い奴らならな・・・。
 そうでもなければ協力はしてくれないだろう。
 何とかあいつにばれないように頼んでみよう。
 ちゃんと今までの悪事を謝ってから。
 もうすぐそいつらが来るだろう。
 最後にあいつを倒せるだけの実力があるか、
 俺自身が相手になって確かめる。あいつらにとっても
 俺にあの弟の借りが返せることになるしな。
 日記はそこまでしか書かれておらず、
 終盤は所々文字がにじんでいた。
 次に僕達は反対側部屋に入る。
 するとそこには、誰かの日記帳が置いてあった・・・。

                その④に続く




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