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シグキーリア


friend-名も無き物語-第23章 その①


   friend-名も無き物語-第23章 その①

ーfriend-名も無き物語-第23章 その① ワラビの悲しすぎる過去ー

  「そして・・・・・・それから10日後・・・・・・。」
 とワラビは物悲しげな表情でそう言うと続けて、
 「フェティールギルドにパパは帰ってきたわ。
 全身に傷を負って、身体の一部には返り血が
 ついていたのを、今でもはっきり覚えている。」
 とワラビは物悲しげな表情で
 そう言うと更に続けて、
 「パパのその時の顔も・・・・・・ね・・・・・・。
 その時のパパはとても言葉を話せそうにない
 ってくらい俯いていて・・・パパの足元にいた
 わたしにはその時の顔がよく見えた。
 フェティールさんは察したのか、その場で
 泣き崩れていた。」
 とワラビは物悲しげな表情で僕達に向かって
 そう言うと続けて、
 「その時パパが手に持っていたものは・・・・・・、
 ママがいつもつけていたアクセサリーだった
 から・・・・・・。」
 とワラビは物悲しげな表情で僕達に向かって
 そう言うと更に続けて、
 「勿論当時のわたしは『なんでパパはこんなに
 傷ついて、みんなは泣いているんだろう?』
 くらいにしか思っていなかったと思う。
 けど私が4歳になって、パパから話を聞かされ
 た時、2歳の時のあの光景がわたしの中に
 蘇ってきたの・・・・・・。
 わたしは確信した。そしてパパの口からも、
 わたしが確信したことと同じことを言われた。」
 とワラビは両手をギュッと握りしめ、
 俯きながら悲しげにそう言うと続けて、
 「ママは・・・・・・戦死した、と。」
 とワラビは両手をギュッと握りしめたまま
 顔を上げてそう言うと続けて、
 「それから・・・パパには名誉探検家の称号が
 与えられたけど、パパはこう言っていたわ。
 『この称号は、ママがいなければ、貰う意味も
 ない。』とね・・・。」
 とワラビは両手をギュッと握りしめたまま
 僕達に向かってそう言った。
 彼女の目は悲しみの涙で潤んでいた。
 「それでも、その称号をママと一緒に過ごして
 きた思い出の日々の結晶として、生涯背負う事を
 決めたんだって。」
 とワラビは目を涙で潤ませ、両手をギュッと握りしめたまま
 僕達に向かってそう言うと続けて、
 「それからというもの、パパはその称号のことも
 あって、仕事が忙しくなってしまって・・・・・・。」
 とワラビは目を涙で潤ませ、両手をギュッと握りしめたまま
 僕達に向かってそう言うと更に続けて、
 「わたしと一緒に居たかったらしいけど、
 わたしをおいて旅に出ることにしたの。
 そうせざるを得なかったんだって。
 一緒にいたくても、パパの立場がそれを
 許してくれなくなったから、仕方ないって
 我慢することに決めたの。
 それからわたしは・・・・・・ずっとひとりぼっち。
 ずっとフェティールギルドで。歳のせいで
 チームを組む相手もいなかった。」
 とワラビは目を涙で潤ませ、両手をギュッと握りしめたまま
 僕達に向かってそう言ってきた。
 「・・・・・・そんな重い過去が・・・・・・。」
 とカゲロウはワラビの過去を知り、
 目を涙で潤ませているワラビに向かって
 そう言うと、
 「あったなんて・・・・・・。」
 とピカノンがカゲロウが言おうとしていた
 ことをワラビに向かってそう言うと、
 「ワラビちゃん・・・・・・。」
 と僕は目を涙で潤ませている
 ワラビに向かってそう言った。
 「・・・・・・ごめんなさいワラビちゃん・・・・・・。
 私が軽々しくお母さんについて言及したせいで
 辛い過去を思い出させてしまって・・・・・・。」
 とミスティアは目を涙で潤ませている
 ワラビに向かってそう謝った。
 「あ、あやまらないでよ!ミスティアは
 悪くないよ!わたしが勝手に泣いてただけ
 だし・・・・・・。」
 とワラビは涙をぬぐうと自分に向かって
 謝ってきたミスティアに向かって
 すまなさそうにそう言ってきた。
 「で・・・・・・でも・・・・・・!」
 とミスティアはワラビに向かって
 何かを言おうとする。
 「それに・・・・・・ミスティアが謝っても、ママが
 生き返るわけじゃないんだし。」
 とワラビは物悲しい顔で
 ミスティアに向かってそう言った。
 「うっ・・・・・・。」
 とミスティアはワラビにそう言われて
 押し黙る。
 「あ、ご、ごめん。とにかくミスティアは
 誤らなくていいよ。」
 とワラビは押し黙ってしまった
 ミスティアに向かってそう謝ると続けて、
 「だって、今のわたしは、ひとりじゃないから。」
 とワラビは僕達を見回すと、微笑みながら
 ミスティアに向かってそう言うと続けて、
 「わたしにはいつもそばにいてくれる親はいない
 けど、今はいつもそばに、みんながいてくれる
 から、楽しいよ。」
 とワラビは、ミスティアに向かって
 微笑みながらそう言うと続けて、
 「それはミスティア含め、みんなのおかげ
 だから・・・・・・。だからミスティアは謝らなくて
 いいの。寧ろ感謝してるし。」
 とワラビはミスティアに向かって
 微笑みながらそう言った。
 「ワラビちゃん・・・・・・。」
 とミスティアはワラビを見つめると、
 「ごめ・・・・・・じゃなくて、ありがとう。」
 とミスティアはワラビに向かって
 笑顔でそう言った。
 「うん!やっぱりミスティアは笑っている
 顔の方が可愛いよ!」
 とワラビはミスティアに向かって
 笑顔でそう言った。
 「も、もう・・・・・・。」
 とミスティアはワラビに可愛いと言われ、
 嬉し恥ずかし顔を赤らめてそう言った。
 「・・・・・・なあワラビ。」
 とカゲロウはワラビに向かって
 神妙な面持ちでそう言った。
 「・・・?なぁに?」
 とワラビはカゲロウに向かって
 首を傾げながらそう言った。
 「俺も悪かったと思ってる。ミスティアよりも
 先に母さんのワードを出しちゃったのは俺
 だしな・・・・・・。」
 とカゲロウはワラビに向かって
 神妙な面持ちでそう謝った。
 「だ、だから謝らなくて大丈夫だよ?」
 とワラビはカゲロウに向かって
 慌てて首を横に振るとそう言った。
 「わかってる。だからその代わりといっちゃあ
 ナンだけど、1つ聞いてほしいことがあるんだ。
 みんなにもな。」
 とカゲロウは神妙な面持ちのまま
 その場にいたみんなに向かってそう言った。
 「き、聞いてほしいこと?」
 とワラビは、カゲロウに向かって
 不思議そうにそう聞き返した。
 「何でしょう・・・?」
 とピカノンもカゲロウに向かって
 不思議そうにそう聞き返したのだった・・・。

                  その②に続く




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