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シグキーリア


friend-名も無き物語-第23章 その③


   friend-名も無き物語-第23章 その③

  「シルバルトさんも・・・・・・?」
 とピカノンはカゲロウに抱きついたまま
 夜空にぽかっり浮かんだ満月を見てそう呟いた
 ワラビに向かってそう言った。
 「うん・・・・・・。きっと、そう。パパも・・・・・・ここで
 1匹でママのことを思い出して、泣いていたんじゃ
 ないかな・・・・・・。」
 とワラビはカゲロウに抱きついたまま
 夜空にぽかっり浮かんだ
 満月を見ながらそう言うと続けて、
 「この月明かりと寒さの中に感じる暖かさ・・・・・・
 まるで、ママのような感じだから・・・・・・。」
 とワラビはカゲロウに抱きついたまま
 夜空にぽかっり浮かんだ
 満月を見ながらそう言った。
 「・・・・・・ママのような感じか・・・・・・。」
 とカゲロウは抱きついたまま
 夜空にぽかっり浮かんだ
 満月を見ているワラビの頭を
 撫でながら微笑んでそう言うと続けて、
 「・・・・・・そうかもしれないな・・・・・・。」
 とカゲロウは抱きついたまま
 夜空にぽかっり浮かんだ
 満月を見ているワラビの頭を
 優しく撫でながらそう言った。
 「ママ・・・・・・わたし、これからもみんなと頑張る。
 頑張ってパパとママが夢見た平和な世界のために
 活躍できるように頑張る。」
 とワラビはカゲロウに抱きついたまま
 夜空にぽかっり浮かんだ
 満月を見ながら微笑むとそう誓うように
 言うと続けて、
 「だから今は・・・・・・この夜が明けるまでは・・・・・・
 みんなと・・・・・・ママのそばに居させて・・・・・・。」
 とワラビはカゲロウに抱きついたまま
 夜空にぽかっり浮かんだ
 満月を見上げ、そう誓うように
 言うと更に続けて、
 「ママ・・・・・・。」
 とワラビはカゲロウに抱きついたまま
 夜空にぽかっり浮かんだ
 満月を見上げるとそう言った。
 こうして、ここに新しい一つの『家族』が誕生したのでした。
 この日はその夜が明けるまで、みんなでくっついて一緒に
 月を眺めていました。
 翌日、日の出から少し後、一同はウィンドラギルドへ
 帰り始めましたが、着く頃には夜になってしまいました。
 途中、ワラビだけは疲れ切ってしまったのか寝てしまい、
 カゲロウに背負ってもらってました。その時の寝顔は、
 とても幸せそうだったそうです。
 そして、みんなが寝静まった深夜・・・・・・、
 「おや・・・・・・、ミスティアちゃんじゃないか。」
 シルバルトが廊下を歩いていると
 ミスティアと出くわした。
 「あっ、シルバルトさん。こんばんは。」
 とミスティアはシルバルトに向かって
 微笑みながらそう返事を返した。
 「こんな夜中にどうしたんだ?」
 とシルバルトはミスティアに向かって
 優しくそう言ってきた。
 「ちょっと目が覚めちゃって・・・・・・。」
 とミスティアはシルバルトに向かって
 微笑みながらそう言った。
 「そうか・・・・・・もしよければ、少し時間を頂け
 ないかな?ちょっと昨日あったことについて
 聞きたいんだが・・・・・・。」
 とシルバルトはミスティアに向かって
 優しくそう訪ねてきた。
 「いいですよ。ベランダにでも行きましょうか。」
 とミスティアはシルバルトに向かって
 微笑みながらそう提案した。
 かくしてミスティアとシルバルトの2匹は
 ウィンドラギルドのベランダに向う。
 「そうか・・・・・・そんなことが・・・・・・。」
 とミスティアから昨日の出来事を
 聞いたシルバルトは彼女に向かってそう言うと、
 「やはり、ワラビには荷が重い過去だったか・・・。」
 とシルバルトは夜空を仰ぎ見ると
 呟くようにそう言った。
 「じゃあ・・・やっぱり彼女が言っていたことは・・・
 本当だったんですね・・・?」
 とミスティアはシルバルトに向かって
 かなり驚いたようにそう言った。
 「ああ・・・。」
 とシルバルトは夜空を仰ぎ見たまま
 ミスティアに向かって呟くようにそう言った。
 「ところで・・・・・・シルバルトさんもあの塔に
 登った時、あそこの月を眺めていたんですか?」
 とミスティアはシルバルトに向かってそう訪ねた。
 「ああ。あそこの塔から見る月は本当に格別
 だな。だからぜひみんなにも見て欲しかった。」
 とシルバルトはミスティアに向かって
 優しく微笑みながらそう言った。
 「・・・・・・あの月を見て、奥さんのことを思い
 出したりしていたんですか・・・・・・?」
 とミスティアはシルバルトに向かってそう訪ねた。
 「・・・・・・?どうして急にそんなことを?」
 とシルバルトはミスティアに向かって
 不思議そうにそう訪ねた。
 「昨日、言っていたんですよ。ワラビちゃんが月
 を見ながら、もしかしたら貴方も同じように奥さ
 んの事を思い出して泣いていたんじゃないかって。」
 とミスティアはシルバルトに向かってそう言った。
 「・・・・・・やはりワラビも・・・・・・感じたんだな・・・。」
 とシルバルトは夜空を仰ぎ見ると
 呟くようにそう言うと続けて、
 「あそこの月明かりは・・・・・・本当にあいつの
 ような温もりだったよ・・・。そして私は独りで
 ずっと夜が明けるまでその月の下で・・・・・・、
 あいつのことを思い出しては自然と涙が頬を
 伝っていたな・・・・・・。不思議な感覚だったよ。
 あそこの月明かりと、優しい風は・・・・・・。」
 とシルバルトは夜空を仰ぎ見ると
 呟くようにそう言うと更に続けて、
 「ワラビも・・・・・・感じたんだな・・・・・・。
 流石私達の娘といったところか・・・・・・。」
 とシルバルトは夜空を仰ぎ見ると
 呟くようにそう言った後、
 「おっとすまない。ちょっと親バカのような
 事を言ってしまった・・・。」
 とシルバルトはハハハッと苦笑すると
 ミスティアに向かってそう言うと続けて、
 「けれど、親にとって子供が気付いて欲しい事に
 気づいてくれた喜びというものは結構大きい物
 なんだよ。」
 とシルバルトはミスティアに向かって
 笑顔でそう言うと続けて、
 「それに・・・・・・あの子は私とクロミリルの・・・・・・
 妻との1番の宝物なんだ。ワラビの存在こそが
 妻が生きていたことの証でもある。」
 とシルバルトはミスティアに向かって優しく
 微笑みながらそう言うと続けて、
 「だからこそ、あの子は私の命に代えても守り
 抜きたいし、あの子自身にも自分の身は自分で
 守れるように強くなってほしいんだ。」
 とシルバルトはミスティアに向かって
 優しく微笑みながらそう言うと更に続けて、
 「君達には迷惑をかけるかもしれないが、私が
 いない間、あの子のことをこれからもお願い
 できないだろうか・・・・・・?」
 とシルバルトはミスティアに向かって優しく
 微笑みながらそう訪ねてきた。
 「め、迷惑だなんてそんな!断る訳ないじゃ
 ないですか!」
 とミスティアは慌てた様子でシルバルトに向かって
 そう言うと続けて、
 「それと・・・ごめんなさい。私が軽々しく
 彼女の過去を抉るような発言をしてしまって・・・。」
 とミスティアは慌てた様子でシルバルトに向かって
 そう謝るが、
 「気にするな。それに、君が言わなくても、
 ワラビはあそこの雰囲気で自然と妻のことを
 思い出していただろうし。」
 とシルバルトはミスティアに向かって優しく
 諭すようにそう言ったのだった・・・。

                  その④に続く




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