Nicotto Town


シグキーリア


friend-名も無き物語-第25章 その③


   friend-名も無き物語-第25章 その③

  「それを思い出してしまうきっかけも、みんな
 それぞれ違う。勿論意図的に思い起こさせる
 ような真似は失礼極まりないけど、
 不意に思い出してしまうような出来事は、
 他ポケと接していれば避けられない事でもある。」
 と親方のウォーラルは僕達に向かって
 微笑みながらそう言うと続けて、
 「だからこそ、みんなそれぞれが、自身の過去と
 向き合えるようにならなければいけないんじゃ
 ないかな。」
 と親方のウォーラルは僕達に向かって微笑みながら
 そう言うと更に続けて、
 「失敗して取り返しのつくこと、つかないこと、
 それぞれあるけど、どちらにせよ同じような真似
 を繰り返さないように努力しないといけない。
 その積み重ねが大きな力にもなるし、自身の
 成長にも不可欠なんだ。
 生きている以上、前を向いて生き抜くことが
 大事だと思ってる。でもその為には、
 心の支えや過去の教訓がなければ難しい。」
 と親方のウォーラルは僕達に向かって
 微笑みながらそう言うと続けて、
 「僕は小さい時に弟を亡くした・・・。それ自体は
 今でも僕の辛い過去だけど、その過去があった
 からこそ、生きていくための目標もできた。」
 と親方のウォーラルは僕達に向かって
 そう言うと続けて、
 「『弟の時のようなことにならないように、
 大切なポケモン達を護れるように、強くなる』
 という目標がね。」
 と親方のウォーラルは僕達に向かって
 そう言うと更に続けて、
 「そんな目標があったからこそ、今の僕がある。
 ギルドの親方となり、カゲロウ君やミスティア、
 みんなに出会えた。
 今では、ギルドのみんなが僕にとっては
 かけがえのない『家族』なんだよ。
 だからこそ、みんなに頼ってもらえるような
 存在になる、っていうのが新たな目標だね。
 この目標や、ギルドのみんな、そして過去の
 出来事・・・・・・これら全てが、僕の生きていく為の
 原動力なんだ。
 だからね、例えみんなが僕に弟の事を思い出さ
 せるような発言をしたとしても、だ。
 それは防ぎようのない事だし、僕もその過去を
 死ぬまで背負って生きていかなければならない。
 と親方のウォーラルは僕達に向かって
 そう言うと続けて、
 「だからまあ、ミスティア達がそんな罪悪感を
 抱く必要はないってことさ。できる範囲で
 気遣ってくれればそれでいいんだよ。」
 と親方のウォーラルは僕達に向かって
 微笑みながらそう言った。
 「親方・・・・・・。」
 とミスティアは親方のウォーラルに向かって
 涙を流しながらそう言った。
 「まったく、君が泣いてどうするんだよ。
 まあ、ワラビちゃんの件でも何かしらあったんだ
 と思うから深く追求はしないけど・・・・・・。」
 と親方のウォーラルは涙を流しているミスティアに向かって
 微笑みながらそう言うと続けて、
 「それに、仲間同士なんだからこういうことは
 共有しておいた方がいいと思うしね。」
 と親方のウォーラルは涙を流しているミスティアに向かって
 微笑みながらそう言うと更に続けて、
 「ワラビちゃんだって、みんなに母の事を話して
 良かったとは思っているんでしょ?」
 と親方のウォーラルはワラビに向かって
 微笑みながらそう言ってきた。
 「・・・・・・うん。おかげで、みんなとの繋がりも
 もっと強くなったし、私も過去と向き合う
 ことができたから。」
 とワラビは親方のウォーラルに向かって
 微笑みながらそう言った。
 「・・・・・・立派だよ君は。やっぱり君は芯が強い
 ようだね。」
 と親方のウォーラルはワラビに向かって
 微笑みながらそう言うと続けて、
 「・・・・・・結構時間が経ってしまったようだね。
 ほら、みんな向こうを見てごらん。」
 と親方のウォーラルはワラビに向かって
 微笑みながらそう言った。
 「おお・・・・・・これは・・・・・・。」
 とカゲロウは親方のウォーラルにそう言われて
 振り返るとそう言って息をのんだ。
 僕達が親方のウォーラルに促されて振り返ると
 何処までも続く水平線に今まさに夕日が沈んでいく真っ最中だった。
 「これがウォーラルさんが言っていた夕日・・・・・・
 本当にきれいですね・・・・・・。」
 とピカノンは目の前に広がる絶景に見惚れながら
 親方のウォーラルに向かって微笑みながらそう言った。
 「うん・・・・・・。」
 と僕は目の前に広がる絶景に見惚れながら
 ピカノンに向かって微笑みながらそう返事を返した。
 「・・・・・・きっと弟も、いつもここでこの夕日を
 眺めているんだと思うよ。」
 と親方のウォーラルは目の前に広がる絶景を見ながら
 僕達に向かって微笑みながらそう言った。
 「そうですね・・・・・・。」
 とミスティアは目の前に広がる絶景に見惚れながら
 親方のウォーラルに向かって微笑みながらそう返事を返した。
 「・・・・・・さ、もう少ししたら帰ろうか。明日は
 最後の試練なんだろう?早めに寝て、万全の
 状態で挑めるようにしないと。」
 と親方のウォーラルは目の前に広がる絶景を見ながら
 僕達に向かって微笑みながらそう言った。
 「そうですね。みんな明日は気を引き締めて
 いこう。」
 とカゲロウは目の前に広がる絶景を見ながら
 僕達に向かってそう言った。
 「うん!」
 とワラビは目の前に広がる絶景に見惚れながら
 カゲロウに向かって微笑みながらそう返事を返した。
 「・・・そういえば途中で突っ込むタイミング
 見失って言い忘れていたんですが、親方って♀
 だったんですね。」
 とピカノンは親方のウォーラルに向かって
 思い出したようにそう言った。
 「あっ、そうか女子のみんなにはまだ話して
 なかったなそういえば。」
 と親方のウォーラルはピカノンにそう言われ
 かなり慌ててそう言った。
 次の日の朝・・・・・・。
 「・・・あれ?親方がいないぞ?
 出かける前に挨拶にでもと思ったんだけどな・・・。」
 次の日の朝、僕達は親方のウォーラルに
 出かける前に挨拶にでもと親方の部屋を訪ねたが
 親方のウォーラルは既に何処かに出掛けていなかった。
 「ああ、ウォーラルさんなら朝早く出かけて
 いきましたよ。急用ができたそうです。」
 と親方の部屋を掃除していた
 カラットが僕達に向かってそう言ってきた。
 「急用か・・・・・・それじゃあ仕方ないな。」
 とカゲロウはカラットに向かって
 残念そうにそう言った。
 「皆さんはどちらに行かれるんですか?」
 とカラットが僕達に向かってそう訪ねてきた。
 「俺達は最後の試練のために、『聖域』と
 呼ばれる場所に行くところだ。」
 とカゲロウはカラットに向かってそう言った。
 「『聖域』・・・・・・ですか。非常に興味をそそる
 響きですね。もしよろしければ私も同行して
 よろしいでしょうか?」
 とカラットは目を輝かせながら
 カゲロウに向かってそう訪ねてきたのだった・・・。

                  その④に続く




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