Nicotto Town


まったり時間。


【お話】明日のわたしのための魔法。

明日のわたしのための魔法。花の蜜をお茶に入れる、それだけ。でもそれだけで、何かが支えられる気がするの

もらったステキコーデ♪:13


お湯は、やかんで沸かすところから。

しゅんしゅん言うのを、ゆっくり待つの。

ティーポットとカップの準備をしましょう。

今日は、おばあちゃんから譲られた、なつかしいポットを使うの。

はちみつは、何があったかしら。

ちょっと贅沢に、お高い目のを使いましょう。

お湯が沸いたら、ポットとカップに注いで、

一度お湯を捨てて、

温まったポットにお茶の葉をティースプーンではかって、いれて、

お湯を注いで、ティーコゼーをかぶせるの。

そしてさあ、また待つわ。今日のお茶の葉の大きさだと、三分かしら。

砂時計をひっくり返して、ぼんやり眺める。

この時間が好き。

ていねいに、手順を確認しながら、お茶をいれる。

ねえ、でも、これだけやっても、十分か二十分。それぐらいなのよ。

それぐらいなんだけど、ていねいに手順をたどっていると、

いろんな時間を、思い出す。

初めて、ポットでいれたお茶をいただいた時。

そうっと持ったティーカップが、宝物みたいに思えた。大人扱いしてもらえたみたいで、うれしかった。

気になっていた喫茶店に、一人で入った時。

ていねいに入れてもらったお茶が、温かかった。

初めて、誰かのために、お茶をいれた時。

緊張したけど、美味しいって喜んでもらえて、わたしも笑顔になった。

おばあちゃんから、このポットをいただいた時。

お葬式から帰って、しばらくしてから形見分けで届いた。ぼんやりと、もう会えないんだと思った。

いろんなことが、あった。

いろんなことを、越えてきた。

だから、ていねいにお茶をいれるの。

手順ははぶかずに、一つ一つ確実に。

そうやって、お茶をいれていると、

何かに、つながっている気がする。

何かが、修復されていく気がする。

あなたのことを、覚えているよと、

忘れていないと、

そう言ってもらえているような、気がするの。

さあ、

砂が落ち切ったわ。もう充分ね。

カップにお茶をそそいで、はちみつをひとさじ。

くるくる、ティースプーンでかきまぜて。

あがってくる、ほんのり甘い、やわらかな香りの湯気を吸いこんで。

明日のわたしに、つながるひととき。

小さな魔法に、感謝して。いただきましょう。


***


紅茶の場合、はちみつを入れると、お茶の色が黒っぽくなるので、

ミルクをいれて、キャンブリックティー(麻布の色風のお茶)にすることが多いです。

でも自分用なら色は気にせず、香りを楽しみながら飲んでOK.ということで。

茶葉も、和の紅茶(日本産の紅茶)の場合は、味がやわらかいので、ミルクなしの方が美味しかったりします。

最近は、アーモンドミルクなどありますので、牛乳ではなく、そちらを使うことも増えました。




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2020/12/12 03:46
魔女の旅々、魔女見習いをさがして
これから見たいアニメです

しのさんのお茶好きはおばぁさまの好きがあったからなんですね
美味しくいただく時間は大切です




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