スケッチその1
- カテゴリ:自作小説
- 2018/01/03 02:43:46
※「双星の陰陽師」という漫画のパロです
バリバリの恋愛ものなんで、ご注意くださいw
よく同じ夢を見る。
いや、同じというわけではない。
詳しくいえば「同じ女の子」が出てくる夢だ。
その子は自分が他人に打ち明けられない問題がある時にスッと来て、慰めてくれたり、元気づけてくれたり、時には何もせずにそばにいてくれたりする。
また、その子も愚痴話や、心配事などを自分に打ち明けてくれる。
だが、何を話したのかどんな子なのかは一切覚えていない。
女の子と話したこと、そして話をすると心が軽くなる事しか自分の記憶にはない。
今回も、女の子が出てくる夢を見た。
ただ、何かが違う。
待ってくれない。
「おい、待ってくれ!」
声を上げても、女の子は振り向こうとしない。
「ねぇ」
ふいに、女の子は声をあげた。
「あの子とは、うまくいってるの」
「あの子?」
あの子といわれても誰を挙げているのかがわからない。
「ほら、付き合ってる子」
「あぁ、うまくいってる」
それ以外に答えようがない。
短い沈黙の後、
「…本当に、好きなの?」
と、聞かれた。
「いや、友達としては好きだ。一番好きなのは妹のちぃ子だが、ただの家族愛だ。
告白されたから付き合ってる。」
「へぇ」
またまた短い沈黙の後、
「あのね、好きって気持ちて、叶うとうれしいんだけど、叶わないと、
とんでもなく悲しい気持ちになっちゃうんだ。私の、君の知ってる女の子は
今、失恋して、すごいつらい目に合ってるの。まぁ、ほとんど自分のせい、
だけどね、」
と、いきなり切り出された。
「ちょっと待ってくれ!」
いきなり切り出された話に、頭がついていけない。
「俺の知ってる女子で、今、失恋してるのって誰だ?」
叫んでいると言ってもいいほどの怒鳴り声で質問すると、彼女はただ笑った。
顔がいきなり鮮明になる。
そこには18歳になってから、修行で何度も
「バカだろ」
という罵声を浴びせた少女の顔があった。
金髪にほのかに緑のグラデーションがかかった美しい髪。
きれいな顔。
だが、彼女の顔は涙でぐちゃぐちゃになっており、髪には、赤いアネモネがさされていた。
「助けて、士門」
彼女、いや、繭良はただそういうと、スッと消えてった。
「待て、繭良!!」
とっさに手を伸ばしたが届かず、視界が真っ暗になった。
「はっ」
勢いよく布団から起き上がった士門は、自分が汗でべとべとになっている事に
驚いた。
しかも、どんな夢だったかははっきりと覚えている。
布団には真っ赤なアネモネの花が一輪落ちていた。
アネモネの花言葉
はかない恋
※本当にくそみたいなssでしたが、楽しめていただければ幸いです。
良かったら入ってみてください
※あと、2人集まらないとやばいんです!
あと、花言葉を毎回入れようと思って調べました。
アネモネのエピソードとかなかなかいい感じですね。