Nicotto Town



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再び入ってきた雁にリエドと成人は動揺を見せた。「おい、何やってんだ?」
リエドによる傷口の再生の真っ最中だったからだ。成人はばれないようにリエドの前に出ると、
「交流を深めているというか…」と頭を掻いて誤魔化した。雁は怪しいという目で少し見たあと、テレビの電源をつけた。
すぐに二人の回復は終わり、バスタオルだけが血に染まっている状態になった。
「お前ら、六柱が二体で組んだら神だと思わないか?」テレビを見ている雁が言葉をかけた。
成人は少し考えたあと、「そうだな」と同感する。「今外じゃすげえよ」雁はリモコンを持った手でドアを指した。
「どうなってるのかしら」とリエドが呟くと、雁は賺さず「見たいか?」と訊ねた。
リエドは立ち上がると血まみれのバスタオルを身体に巻き付け雁のところに向かう。
「見れるの?」嬉しそうな口ぶりで雁を覗き込む。「俺に協力する気はあるか?」
その言葉にリエドは息を呑んだ。成人も下半身にバスタオルを巻くと雁の近くに寄った。
「出来る限りならな」考えてるリエドの肩を軽く叩いて答えた。
「今回はあいつらには帰ってもらえ」その言葉に二人は驚いた。つまり、雁は見逃してくれると言っているのだ。
「いいのか?」「そのかわり…」雁はテレビの電源を切ると、二人の方に向いた。
「今から言うことを実行してくれるならな」雁は立ち上がると先程までリエドたちがいた方に向かう。
何を言われるのかと考えていると、雁は落ちていた杭を二つ持ってきた。
杭にはリエドと成人の血がこびり付いている。「説明が終わったら俺をこれで一打ちしろ。あんま痛くない程度にな」
そう言って雁は二人に杭を渡す。二人は不思議そうな顔をして杭を受け取った。
「お前らにはあの二体以外の六柱の核を持ってきて貰いたい。既に死んでたらしょうがない」
そう言うと雁はテレビの横に置いてあった二人の服とアノの核を持ってきた。
「今外にいる奴を帰したいだろ?じゃあお前らが蝶乱、氷と戦え。仲間と一緒にな。俺はお前らにやられたってことにしてやるよ」
「でも、あの二人は仲間でしょう」リエドは一番の疑問を投げかけた。
雁は手を横に振ると、「まさか、一緒にいてやってるだけだ」と全面否定した。
リエドと成人はそれを聞くと暗がりに移動した。着替えが終わったら来いと言う命に従っているのだ。
成人の邪魔があったものの、リエドはなんとか着替えを終わらせると雁のところに足を向かわせた。
続いて遅れた成人も雁のところへ向かう。「さっきの話は俺ら三人だけの秘密だ」
真剣な目で言う雁を見るとリエドは静かに頷いた。「仲間にも言うな六柱の核だけ持って来い」
二人は再び頷くと杭を強く握り締めた。「ごめんなさい…」リエドは小さく呟くと雁の肩を突いた。
成人もその後に続き足を突く。「うわあああああ」あまりの痛さに雁は悲痛の声をあげた。




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