Nicotto Town


小説日記。


届け、流れ星に。【アリスサークル小説】





 やけに遠い夜空だ。
 夏だと言うのに、星一つ輝いていないなんて。
 涼しい夜風に吹かれ、思わず外の世界に出られたらどんなにいいだろうかと考えた。
 でも、この鎖が切れることはないのだ。
「…フラン様?」
 狭い城の最上階の部屋、そこから眺める景色は色褪せていた。
「何?」
 室内のドアでずっと待機していた召使が、心配そうに声をかけてきた。
 私はそちらを見向きもせずに問う。
「そろそろ、お休みになられては如何ですか?」
 その言葉に、ほんの少しむっとする。
 私は子供じゃない。
 だが、胸に下げられた懐中時計は既に深夜1時を回っていた。
「………分った」
 とは返事をするものの、動く気は無い。
 見かねた召使がこちらに歩いてきた。
「…どうか、お休みになってください」
 思ったより深刻そうな声に、私は振り向いた。
 濡れたように綺麗な真紅のセミロングの髪と深海のような瞳を持つその姿は、見るたびに彼女を人ではないことを私に教える。
「…どうしたの、アレース」
「妙な風が吹いております。私どもが処理致しますが、どうぞお休みを」
 優雅な一礼。
 豪奢なドレスの装飾が揺れる。
「ふぅん」
 不服だったが彼女がそう言うのだから、そういうことにしておこう。
 私は布団に入り、眠くなかったはずなのに一瞬で眠りに落ちた。



                       ○


 ―――なさい、フラン。

 誰かが呼んでいる。
 嫌々起き上がり目を擦る。
 なんと目の前には、アレースとよく似た顔立ちの女性が居た。
 女性…ではないかもしれない。
 大人っぽい少女だ。
 それによく見るとアレースとはそこまで似ていないことが分った。
 切れ長の猫目がそっくりだったからだろうか。
 それに…、彼女の頭からは、なにかおかしなものが生えていた。
 犬の…耳、だろうか。
 黒くてふさふさした、犬の耳。

「やっと起きたのね。何度も言ってるでしょう、地べたに寝ちゃ駄目って」

 なんで私が地べたに、と思い言い返そうとすると、何かが口に当たった。
 …白いマフラーだ。
 今は夏ではなかっただろうか?
 暑苦しい。
 
 マフラーを剥ぎ取ろうとすると、また少女が言った。

「外しちゃ駄目!風邪を引きやすいんだから!」
「…むぅ」
「駄目なものはだーめ!」

 何かこのやり取りに見覚え…というか、なんだろう…デジャヴを感じる。
 前にもやった気がする。

 と、急に脳裏に今の光景とデジャヴが重なった。
 そういえば、これは5歳の頃によく見た夢だ。
 夢のクセに凄くリアルで、会話などもしっかり覚えている。

 確かここでは自分はフランと呼びつけにされ、目の前の少女はダルアンと言った気がした。
 保護者代わりで世話好きの王女の番犬だっただろうか。
 彼女以外にも誰か居た気がする。
 犬ではないのだが番犬という職業は同じの、少女の恋人というか夫のような人物が――

「あ、おはようフラン」

 軽快に頭上の木の枝から飛び降りてきた少年。
 確か名前は…

「訊いてよサム!またフランが地べたで寝てたのよ!」

 そうだ、サム。
 記憶がだんだん戻ってきた。

「おいおい、地べたで寝るのはレイヴンだけで十分だぜ?」

 レイヴン?
 あぁ、居たかもしれない。
 特技は昼寝という男なのに少女のように小柄で髪が長い時計屋の少年が。

「いっつも寝てるみたいに言わないでよ…」

 傍の茂みからひょい、と顔を出し頭の木の葉をつけたままレイヴンがやって来た。

「夜以外アリスが居ないところで起きてるの見たことないんだけどな」

 嫌味なのかからかっているのか、皮肉にも似た口調の少女の声が突然頭上から降ってくる。
 張り出した枝から両脚だけでぶらさがりケラケラ笑っていた。
 彼女には馬の尻尾が生えている。
 名前はシェリカ。逆さまなのにスカートがめくれない、変な奴だ。

「…確かに」

 次々にどこからともなく皆がやってくる。
 低めのテンションで同意する、黒い雄猫。
 
「ははっ、いいじゃねぇかレイヴンらしくて」

 目に痛い蛍光色の雄猫。
 彼らは双子で確か名前は…ルーヴェと、ボリスだったかもしれない。

「なんだよ僕らしいって…」

 不機嫌そうな声で言い返すが、途中で欠伸に変わる。
 皆から漏れる笑い。
 
「あはは、大変だな、レイヴンも」

 他人事のように笑いながら、また一人。
 兎の耳の生えた笑顔の似合う少年だ。

「おっ、フラン!」

 その少年が急に向きを変えこちらにやってくる。
 名前は…

「…おはよう、ラビ」

 ラビン。
 愛称で短くラビだけだ。

「おはよう!…って、もう夜だぜ?」

 私の頭を撫でてくれながら今更のように突っ込む。
 
「さっき起きたばかりだもの」

 ダルアンが言うと、また皆が笑う。
 優しいところだ。
 ずっと目が覚めなければいいのに。

 そう思った。




~~~~~~~~~~

文字数が結構ヤヴァかったので中断です。
色んな子勝手に借りちゃって謝りようがないのでジャンピングスライディング土下座しとくので許してくださいw←

口調変わっちゃってたらごめんなさいorz
特に書いたのには理由ありません。
なんとなくです(

続きはぼちぼち書きまする。

アバター
2011/07/04 23:08
不協和音~♪
てなわけで眠りにつきます!ノシ
アバター
2011/07/01 22:22
おK、ンジャその次俺で
アバター
2011/06/30 19:55
>みかんちゃん

ちょwwwwwwwwwwwww
凄くないし素敵でもないよbb
使わせて貰いました✿喜んでもらえて私も嬉しいぜよ❀

演劇部用の台本仕上がり次第続き書きたいと思ってまふbb
アバター
2011/06/30 19:53
>流風

ありがとう❀!
そうよーbb短編小説にでも仕立ててみるbb

頑張る!!
アバター
2011/06/30 19:14
これを見た瞬間、変な奇声を上げてしまった件についt((
凄いです、素敵です\(^o^)/
私のキャラ(ラビ)がでてきて嬉しかったですwww

続き、楽しみに待っています(・ω・*)
アバター
2011/06/30 18:34
うぉー
俺ら出てきたw
俺はぜんぜんおkw寧ろつかってくりw
フランが主人公な?
続きwktkやでぇ!



月別アーカイブ

2022

2021

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.