Nicotto Town


小説日記。


-魔切の回想- 1/3

-魔切の回想- 1/3


これは夢だって、解っている夢。

どうしようもなくふわふわしていて、妙に実感が無くて、妙にリアル。

でも所々、覚えていない。

どうしようもなく自分は"傍観者"で、どこか遠くから自分達を見ている。


忘れたい、忘れたくない記憶。

辛くて悲しい、ただ苦しいだけの夢。


「――ッッ魔切ぃぃいいいいいい!!!!」


狼牙崎が呼んでる。
血塗れの真っ白なマフラーが、神埼の赤い嵐の中でなびいてた。



ごめん狼牙崎。
やっぱり負けちゃった。

"怖い"って思った。
勝てないって。
あんな化け物に勝てるわけないって。

傷つくのが嫌だった。
他でも無い自分が、血を流すのが怖かった。

怖くて、動けなかった。

きっと狼牙崎が、いざとなったら助けてくれるなんて思ってた。

…最低だ、私。


でも、それよりももっと嫌だった。
傷つくことより単純で、誰もがそう思って止まない。


「魔切ッ!!ッ魔切、魔切ぃ!!!」


狼牙崎が呼んでる。
なんで泣いてるの、狼牙崎。
また神埼にケーキ食べられちゃったの?
…しょうがないなぁ。

手を伸ばして頭を撫でたいのに、身体が急に言う事を利かなくなった。
"中身"をぽっかりと奪われたみたいに。


「起きて、起きてよ!!魔切!!!魔切ぃいいいぃぃい!!!!!」


…起きてるよ、狼牙崎。
ちゃんと訊いてる。
ケーキなんてまた作ってあげるから、…泣かないで、狼牙崎。

…私が負けちゃっただけなんだから。



泣かないで、寧ろ怒って欲しかった。
責めて欲しかった。

ただ心の奥底に、呪いみたいに沈んでる。
それは明快で、痛快で、嫌味なほどに私を嘲笑う。


――死にたく、ないよ




 ……"死ぬ"のは、"怖い"。


アバター
2012/06/30 15:28
何気に神崎くんが出てくる件(

それと狼牙崎がこんなにもおかしくなるのは見ごたえが^p^
アバター
2012/06/30 11:59
・・・・・どうしよう、トリハダが(ry

魔切ちゃんキャラ的に好きな私なので
同情します←

続けえええええええええええ((((ty
アバター
2012/06/30 11:49

___魔切さんっ....。

実は、キャラクター設定がかなり好きな方だったりします。

続きがあるのなら、観覧したいですね。
是非。ファンですから!きりり
アバター
2012/06/29 20:37

――続くのかい?。
 



月別アーカイブ

2022

2021

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010

2009


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.