字幕と吹き替え　せっかく両方見たので、比較した感想でも・・・。


★吹き替え版の翻訳が素晴らしい

英語は早口なので、日本語訳されていることより、かなり沢山のことを喋っている。
それをシンプル・キレイに・分かりやすく・しかもちゃんと的を得た日本語にしている。
字幕版は、吹き替えでは表現仕切れなかった部分が沢山表されてはいるが、
やはり外国的な印象は残った。

何より一番凄いのが、
クチの動きと、吹き替え版でのセリフのシンクロ率が非常に高い！！

元は英語なので、アニメーションの口の動きは、もちろん英語に合わせたもの。
それを日本語を喋っていても、あまり違和感がない。
細かい部分までは完璧ではないものの、そのシンクロ率は脅威のものだ。

「deep deep deep deep snow」のところが、どういう翻訳になるか興味があったんだけど、
まさか「危機なのよ」とはね。
シンクロ的にもバッチリで、恐れ入った。


★英語と日本語の　Let it go

英語版は、日本語と比べれば、
心の闇や暗い表現、感情的で激しい部分が多い。

日本語版は、明るくて前向きで純真だ。

Let it goは、「ありのままで」というより、「これで良かったんだ」という訳の方が近い。
このあたりからも、英語と日本版のエルサの差が出ているように思う。

May Jは、比較されて可哀相なくらい叩かれているけど、
キーを下げずに歌ってたら、また違ったんじゃないかなぁ・・・。


★声質の違い

アナもエルサも、英語版の方が低い声。
時々コブシの効いた歌声もあったりして、
それはそれで、英語版には合っていたと思う。（独特の表現的にもね。）
対して吹き替え版、ご存知のように神田沙也加と松たか子。
声のトーンが高く、歌声もクリア。
素敵でキレイな日本語訳に、とても合っていた。


★日本語では表現しきれなかった部分

英語版だと、やたらと「door」という単語が出てくる。
歌詞にも入っている。
この「door」は、心の内部であったり、精神的な距離の隔たりであったり、過去や未来への境界であったり、実際のドアでもあったりする。
アナは一貫してドアを開けようとし続け、
エルサはずっとドアを閉じようとしている。
そして、最後の「もう閉めないわ」で締めくくられる・・・ように思う。

日本語版だと、Let it goを歌い上げたエルサが、
扉を閉めるところが一番表現されているかなぁ。

そんなエルサは、一度だけ「開けた」ことがある。
そう、戴冠式の時だ。
だけど、自分で開けたわけじゃなくて、命令系だしね。
しかも、「door」じゃなくて「the gate」になっているところが
面白いところかなーと、個人的に思ったり。
（そりゃ、あんなデカい城の門がdoorじゃ変だけどｗ）

あとは、英語の「heart」は、
肉体的な心臓と精神的な心、2つの意味が同時に存在していたように思うんだけど・・・。
日本語では、どちらかというと精神的な心と表現されているように思った。


★「真実の愛」は

これは比較の感想じゃないけど。
アナには真実の愛が必要だったけれど、
それは示してもらったからではなく、
アナ自身が示したことで得られたんじゃないかな、と思う。
（なるべくネタバレしないように、と変な文章・・・）



色々書いたけれど、大人も子供も楽しめる、いい映画だったと思う。
字幕版に子連れはいなかったけど、
吹き替え版にはめっちゃいたｗ
だけど、上映中に騒ぐ子は一人もいなかった。


★字幕版　Let it go　（公式動画）
http://www.youtube.com/watch?v=V9JJyztJLLA

★吹き替え版　Let it go　歌詞付　（公式動画）
http://www.youtube.com/watch?v=cvj3-MZO9Tw


字幕版で、「理想の娘はもういない」というのは、
力を制御することになった時に、
両親と「いい子でいよう」と約束をしたことからつながってます。
（吹き替え版だと、心を静かにとか、そういうセリフだったような・・・）