マザーのお話
- カテゴリ:日記
- 2010/08/28 00:51:28
ある夜のこと、一人の男性が訪ねてきて
「8人の子持ちのヒンズー教徒の家族が、このところ何も食べていません。
食べるものがないのです。」と告げてくれました。
そこで私は、1食に十分なお米を持ってその家に行きました。
そこには、目だけが飛び出している子どもたちの飢えた顔があり
その顔がすべてを物語っていました。
母親は、私からお米を受け取ると
それを半分に分けて、家から出て行きました。
しばらくして戻ってきたので、「どこへ行っていたのですか?」と尋ねました。
「彼らもお腹を空かしているのです。」という答えが返ってきました。
「彼ら」というのは、隣に住んでいるイスラム教徒の家族のことで
そこにもおなじく8人の子どもがおり、やはり食べるものがなかったのでした。
この母親はそのことを知っていて
わずかの米の一部を、他人と分け合う愛と勇気を発揮したのでした。
自分の家族が置かれている状況にもかかわらず
私が持って行ったわずかの米を、隣人と分け合うことの喜びを感じていたのです。
その喜びを壊したくなかったので
私はその夜、それ以上の米を持って行くことはせず
その翌日、もう少し届けておきました。