【妖精譚-side story】花陰の妖精パァル
- カテゴリ:自作小説
- 2015/04/28 04:53:37
これは、とある菜の花畑から始まった妖精のリレー小説から
お題を拝借してPalが遊んだ「とある妖精」です☆
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リレー小説の
もくじ 登場人物 は、以下のページをごらんください
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(ロワゾーさんのブログ内)
http://goo.gl/2kvvCK
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しかしこの妖精、いつも花の陰で寝惚けているので、
その存在を知るものはあまりいない。
白い妖精の世界と、黒い妖精の世界の「あわい」に生じたため、
白妖精なのかもしれないし、黒妖精といえるかもしれない。
しかしなにより、本人が気にもとめぬどころか、寝惚ける以外なにもしないゆえに、
どちらであろうと、かまいはしないのではないかと思われる。
さてもその日、パァルはいつものごとく微睡みの中にいた。
これだけ寝惚けていると、現と夢の境界ですら意味を成さないものになる。
その、どちらであるとも知れない時を、パァルはてんとう虫の背に凭れていたのだ。
乙女の肌のごとく淡く色付くオダマキから零れる光は、
心地よく生温くもあるし、涼しげに香る褥ともなる。
パァルの眠りの中には様々なものが浮かぶが、
それらは泡沫のごとくうつろうばかりだ。
王が生まれる夢を見た。幾たりも。
瞬く間に見たこれらの中には、
王が生まれる夢を見た。幾たりも。
瞬く間に見たこれらの中には、
ひとりの王の不連続で多重な生が描かれることもあった。
または、〈書花〉に納められたはずの物語に何某かの因果が飛来し、
膨張と拡張の末に宙を超えて光となったりもした。
〈書花〉……妖精の世界を記録する貴重な花々に落書きする自身の夢は、
これこそは間違いなく夢であるはずだが、
まかり間違い現であったとしても、パァルはただ寝惚けるだけであろう。
だから、この日のパァルの夢も、特別ななにかというわけではなかった。
ただうつろいの中に見た、美しいもののうちのほんのひとつだ。
射手魚に吐き出された水のように、様々な光が弾けている。
パァルはこの丘から出たことはないが、弾けた光で溢れた場所が
このあわいの丘であることは見てとれる。
それらは、色も速さも、動きすらまちまちで、とりどりであった。
集まり、戯れもするし、激しくぶつかるだけのものもある。
雨粒が、嵐が、闇が、世界の全てがこの丘に集まったようだ。
騒がしくもあったが、それもまあ、夢のこと。
夢のはずなのだが……いや、どうであろう?
または、〈書花〉に納められたはずの物語に何某かの因果が飛来し、
膨張と拡張の末に宙を超えて光となったりもした。
〈書花〉……妖精の世界を記録する貴重な花々に落書きする自身の夢は、
これこそは間違いなく夢であるはずだが、
まかり間違い現であったとしても、パァルはただ寝惚けるだけであろう。
だから、この日のパァルの夢も、特別ななにかというわけではなかった。
ただうつろいの中に見た、美しいもののうちのほんのひとつだ。
射手魚に吐き出された水のように、様々な光が弾けている。
パァルはこの丘から出たことはないが、弾けた光で溢れた場所が
このあわいの丘であることは見てとれる。
それらは、色も速さも、動きすらまちまちで、とりどりであった。
集まり、戯れもするし、激しくぶつかるだけのものもある。
雨粒が、嵐が、闇が、世界の全てがこの丘に集まったようだ。
騒がしくもあったが、それもまあ、夢のこと。
夢のはずなのだが……いや、どうであろう?
- 気がつけばてんとう虫は去り、オダマキの葉の上にパァルは転がっていた。
珍しく、パァルは腕を伸ばし、体を立てる。
何気に飛び上がると、突風に煽られた。
思わず避けるように手を上げた時、
パァルはたんぽぽの綿毛の群れに飛び込んだことを知った。
〈 いくの?
いくの?
いこう
どこへ いくよいけば わかるね どこ
どこ どこへ どこにいこう とおくだよ…… 〉
ハミングと共に風に乗り、綿毛たちは輝きながら拡散して行く。
綿毛の一本一本の虹彩を眩しげに見つめ、
- パァルは、あの夢とこの現とを繋ぎ合わせる。
- 「雨……降るのかな、嵐かな……」
- 綿毛の一つに掴まりながらゆっくりと落下しつつ、
- それよりもさらにのんびりと、パァルは考える。
- 「……蜜の美味しい花、なにがいいかなあ……」
- だが蜜を舐める間もなく、パァルはまた、綿毛を抱きしめながら眠るであろう。
- 「あわいの丘」は、夜と昼の間。
- 淡く気怠く、静けさが瞼を落とすところ。
- 花々のまどろみは、パァルの夢と共にあるのだから。
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- 【おまけ】
- http://pal3.hatenablog.com/entry/2015/04/28/043516
- これを書くきっかけとなった写真。
- 駄文より写真の方がみせたかったりしてww
- 「妖精」の気分を満喫していただけたら、満足です☆
ありがとうございます(*^ー^)ノ♪
座布団1枚!
と言いたいところですが・・・
本当に眠かっただけなんだ・・・いまもモーレツに眠い・・・
こーいう奴が身近にいたら「いらっ」とくるかもww
美茶さんの「綿毛の赤ちゃん」の話、
探してみたけどみつからないねえ。
うん、飛んでる綿毛にイガイガはなかったから、
多分、イガがなくなると「旅頃」なんだろうなあ。
俯瞰で見ていたいですが、
どうでしょうねえ?
なんか「城を」とか言ってる不穏なひともいるしww
お写真、本当にいつみても素敵です。
植物図鑑に載せられそうなベストショット!
甘えん坊の綿毛の赤ちゃんが
離れるものかと 一生懸命お母さんにしがみついているんだけど
ある日吹いてきた風に とうとう耐え切れず
お母さんから離れて飛んでいくお話だったような気がするんだけど
探しても見つからない~夢かな?(`ー´)イヒヒ
そっかぁ~イガイガが無くなって 掴まっていられなくなったのかなぁ?
パァルちゃんが今後どう絡んでくるんだろ~
それとも絡まずに 俯瞰で見てる感じになるのかなぁ~
やさしく眠りを包む光なので
多分、パァルは起きなかったんじゃないかと思いますwwww
観察してたらね、
たんぽぽの種のイガイガは、
だんだんなくなってスッキリしちゃうみたい。
・・・もう少し、ちゃんと観察してみようっと(・ω・)ノ
Palさん、写真上手だなぁ。
妖精が居たらこんな視点なのかなと思いながら見てました。
タンポポの綿毛の種が意外とイガイガしてて
掴むのは痛そうだなぁとか
タンポポの虹に囲まれたら、
いつもブロッケン現象を見た気分になるのかな、とか。
先に写真を見ていたせいか
タンポポの綿毛の囁きを読んだとき
あ、あの写真だ~!って思いました。
行間とか文字の間の空白の使い方って難しいと思うんですけど、凄いなぁ。
Pal さんのセンスに脱帽です。
あ、フーシーが丘をピカ一って月の光で覆っちゃった時はごめんね。
ビックリしただろうなぁ~(^^;ゴメンナサイ
うちの裏庭に生えています。
かつての勤務先の「とんでもないところ」に
珍しい日本白たんぽぽが自生してるのをみつけて、
こっそり持ち出し増やしました。
でもなかなか、裏庭から外へは増えてくれない。
日本たんぽぽは半日陰くらいが丁度いいし、
種ではなかなか増えにくいようで、
ここまで増やすのに苦労しましたよ。
今やっと一株、裏門の外を出かかっているww
これまで、たんぽぽの綿毛(中国語では包々・というみたい)は
きれいに丸いのしか撮ったことがなくて、
今年初めて、風に吹かれている崩れたものを撮って、
その魅力に取り付かれました〜(((o(*゚▽゚*)o)))
自分用の写真集を作れる量と質になるまで撮り続けるであろうww
黒蜜さんが「あわいの丘」を作ってくれたおかげで、
妖精に仲間入りができました( ´ ▽ ` )ノ
「ここに住む妖精にしよう」と決めた後に、
なにやらあわいの丘に急変がきそうな兆しを見たので・・・
起こさないでくれるといいなぁ・・・★
当初出先から読んだのですが、
たんぽぽのセリフのあたりで、立ち読みしながら泣きそうになりましたw
そうだね、きみたちはとおくをめざしていくんだね…
写真も拝見しました。
最後の「虹」の写真にPalさんの視線の温かさを感じて、またまた感動w
私が名付けた「あわいの丘」にパァルが住んでること、何だか嬉しく思いました^^
写真みせていただきました。
こんなによくみたのは初めてで、感激しました。
ぜひ、本にしてほしいです。
いいですね~。
そうやっていつまでもまどろんでいたいですよね~。
写真もステキです。
水仙もチューリップもみましたが、たんぽぽはまだ観てませんね~。
どこかに咲いているかしら??
と、
世話好きネズミさんならず、
世話好きてんとう虫さんとかアリさんが、
寝てるパァルの口に、蜜菓子とか放り込んでるっぽいよね・・・。
花や葉の裏は、昆虫たちが眠る場所。
パァルの眠りは、小さな世界の平穏の象徴なのかもしれないですねえ。
ああ、私も寝たい、たっぷりと★
カメラは、もう10年以上使っている、
マクロは良いけど暗がりと連写が苦手な
旧式のデジカメですww
全体の性能的には、私の今のケータイのカメラの方が上かも。
あ、充電池がいかれかけてるんだった。
買わなきゃε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
妖精気分満喫できました♪
明るい陽射し感じたー
ほわほわしていいなー
写真が凄くといいー
「いってきまーす」って一人で勝手にじわわんってしたりして( 〃´艸`)
てんとう虫の背中に乗ってるの?
パァルが動かなくても密かに丘を隅から隅まで移動してるのかもね^^
本当に小さい妖精に 自分がなったかのように感じるお写真!
カメラにもかなりこだわりが?
気持ち良いお写真だなぁ (´∀`*)♪♪
たんぽぽたちのつぶやきが ぱらぱら書いてあるところが すごく雰囲気たっぷり!
あわいの丘の あわいの要素は 案外パァルの存在なのかもしれない(≧▽≦)
だから、まどろむパァル様が見る夢は、まさに「胡蝶之夢」~❤
妖精さんは優雅な暮らしをしているみたいね。
働かなくとも、頑張らなくても、永遠に生きる・・
ちょっと退屈かもしれないけど(テヘペロ)。
春だから眠くって、
寝すぎても眠くって、
そーでなくても眠くって・・・
生年月占いでも「眠い」「寝る」がよく出てくる2月生まれですが、
このところ、いつにも増して眠いっ!!
ということで、こんなんなりました。
コーデもいじってたら、
なんか白黒どっちつかずになっちゃったし。
でも「あわいの丘」生まれならそれでもいーかー・とww
この綿毛の写真が撮れた時、
私は「一生、これを撮り続けるんだなー」と思いました。
今は簡単に写真集作れるから、
綿毛の写真集でも作るの目標にしようかなあ。
綿毛の写真も素敵♪
こっそり妖精が掴まっていそう^^
綿毛キレイねー
すごくよく撮れてるー+゚。*ゥフフフ(*´∀`人)*。゚+
また夜にじっくり読みに来るね