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飽和脂肪酸は時間の経過とともに脳機能を低下させる


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飽和脂肪酸は時間の経過とともに脳機能を低下させる(2012.5.28掲載)

脂肪酸(fatty acid)の中でも“悪玉”とされる飽和(saturated)脂肪酸を多量に摂取する女性では、全体的な脳機能および記憶力が時間の経過とともに低下するが、“善玉”とされる一価不飽和(monounsaturated)脂肪酸(オレイン酸など)をより多く摂取すればこれらが改善する可能性が、新しい研究で示された。これは、心臓に対する脂肪の影響が脳でも同様である可能性を示唆している。

飽和脂肪酸は赤身肉やバターなど動物性脂肪、一価不飽和脂肪酸はオリーブオイルや野菜製品などに含まれる。医学誌「Annals of Neurology(神経学)」オンライン版に5月18日掲載された今回の研究は、米ハーバード大学医学部(ボストン)精神医学助教授のOlivia Okereke氏らによるもの。

同氏らは、米国の女性健康研究(Women's Health Study:WHS)に参加した女性6,000人のデータを収集した。被験者は、平均4年間にわたり、2年ごとに3種類の脳機能検査を受け、研究開始時および脳検査前に食事に関する詳細な質問票に回答した。

研究の結果、長期にわたり飽和脂肪酸の摂取量が最も多かった女性では最も少なかった女性に比べて、全体的な脳機能および記憶力が最も低かった。また、一価不飽和脂肪酸の摂取量が最も多かった女性のほうが4年間の検査で脳検査スコアが高かった。同氏らは、年齢や教育、運動、喫煙、飲酒、薬物使用、健康状態など今回の知見に影響しうる多くのものについて考慮、検討し、この知見が高学歴など特定の女性におけるより良い健康的な行動によるものでないことを確認した。

Okereke氏は「食事内容の変更などにより飽和脂肪酸の摂取を減らし、一価不飽和脂肪酸の摂取を増やすことが、高齢者の認知機能の低下予防に有用な方法である可能性がある。運動や健康な体重の維持、禁煙と同様、これは精神機能低下に対する闘いにおける別の修正可能な因子である。今回の研究は女性が対象であったが、当然男性にも当てはまる」と述べている。

米グリフィン病院癌(がん)治療センター(コネティカット州)のSamantha Heller氏は、「赤身肉や加工肉など、多くの飽和脂肪酸およびそれに関連する食物の長期摂取の影響は不健康のカスケード効果を生み出すようである。今回の研究は、飽和脂肪酸とアルツハイマー病の発生および脳機能低下の増大との関連を明らかにした他の研究を支持するものである。飽和脂肪酸はアテローム性動脈硬化症、癌(がん)、糖尿病のリスク増大とも関連している」と述べている。(HealthDay News 5月18日)

http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=664887
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