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細胞を守るインターフェロン 4/5


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自然との調和と共生の医学
長期戦の現代病と食べ物の重要性


小島 食品の機能には
・身体構成に必須な蛋白質、糖質(炭水化物)、脂質、ビタミン、ミネラルの五大栄養素の供給機能
・味、臭、色、形、触の感覚機能
・免疫力をつける生体防衛機能や生活習慣病などの予防と改善に役立つ生体調整機能があります。

 自然の植物に含まれる成分から作られたインターフェロン・インデューサーは、まさに第三の機能を発揮する食品なのです。
  機能性成分は皮や根っこ、食物繊維に多く、精製加工食品や部分食が多い現代では、機能性成分が不足します。また、野菜などはミネラルをバランスよく含んだ 本物が少なくなっています。少し高くても無農薬・有機栽培を選び、皮、葉や根もできるだけ利用し、魚なども汚染の少ない小魚を骨や皮ごと食べるようにした いものですね。
 野生の動物たちが病気になると薬草を食べるように、自然界は実に良くできていると驚かされます。文明の発達につれて、人はそうしたものを食べなくなってしまいました。
  代わりに登場した現代医学は、科学の力で自然をコントロールできるという想いから急性疾患の中でも原因が単純な多くの病気を克服してきましたが、次々に形 を変えるウイルスや免疫の異常で起きる病気、狂牛病などのプリオン病、がんなどの細胞の病気は長期の戦いを必要とし、未だ有効な回答を見出せないでいま す。それどころか勝ったと思った細菌との戦いも耐性菌の出現など、いたちごっこを繰り返すような状況になりました(図5)。
 そろそろ医学の発想 も変えなければならない時に来ています。感染しても発病させない、病気と共存するなど、新しい発想が必要です。免疫現象のように敵を直接攻撃するだけでな く、インターフェロン・インデューサーのようなもので自ら身を守る、細胞を守るという発想がますます大切になってくると考えられます。
 21世紀 は自然と調和・共生する医学に向かわなくてはなりません。外敵を殺す医学から、細胞を健康にして細胞を守る医学へ、そして何よりも自然感染を防ぎ、感染し ても発病させない予防医学が、現代病の根絶に大きな役割を果たすことになるでしょう。「物から心の時代」はそれを意味します。


細胞を守るIFN・インデューサーで長期戦の現代病に対処

──個々の病気にインターフェロン・インデューサーはどう対処しているのでしょうか。

〈肝機能の強化〉
小島 近年は飲みすぎ食べすぎ、ストレスなどで肝臓の機能が低下している人が増えています。特にお酒や脂肪分の多い食べ物が好きな人は注意が肝要です。
 肝臓の機能が衰えると、様々な病気になりやすくなり、ウイルス性肝炎などの症状も悪化します。
 肝臓にはマクロファージの仲間であるクッパー細胞が多く存在し、腸管から吸収した食物の解毒をしたり、再生のための老廃物処理、そして異物や微生物の処理をします。
 IFN・インデューサーを与えるとマクロファージは盛んにインターフェロンを産生し、その情報が細胞に伝わることで細胞の防御体制が整います。
  B型、C型のウイルス肝炎ではインターフェロンが特効薬とされ、最近では長期に投与することで肝がんヘの移行を防ぐのに効果があるとされています。イン ターフェロンは量よりも濃度が重要です。つまり、肝臓のマクロファージが産生するインターフェロンは肝臓で産生されるため、肝臓での濃度が高くなり、有効 性が高まるのです。
 治療では高単位のインターフェロンを注射しますが、単に血液中のインターフェロン濃度が高ければ良いというわけではありません。また、肝臓以外にもインターフェロンが大量に行くために副作用も出てきます。
 インターフェロンを投与した後にIFN・インデューサーを与えると細胞は10~20倍ものインターフェロンを産生します(プライミング効果)。インターフェロン療法においても、IFN・インデューサーは有効に働くのです。

〈風邪などの感染症の予防〉
小島 免疫力の弱いお年寄りや子供たち、病人は風邪、特に症状の強いインフルエンザが命取りになることもあります。
 現在のところ風邪に対する十分な特効薬はなく、特にインフルエンザに対しては、発病を防いだり症状を軽くするためには抗ウイルス剤が開発され利用されていますが、予防にはワクチンに頼るのが一般的です。このワクチンもタイプが合わないと効き目がないなどやっかいです。
 IFN・インデューサーでマクロファージを丈夫にしてやると、もろもろの自然感染を防ぎ、一般の風邪に対しても抵抗力が強くなります。

〈花粉症などアレルギー体質の改善〉
小島 アレルギーも典型的な現代病の一つです。遺伝も関与していますが、食品添加物、様々な化学物質、ダニやハウスダスト、ストレスなどが誘因となってアレルギー症状を起こします。機構が複雑で未知の部分も多く、それだけに決定的な治療法も見つかっていません。
 ことに過剰なIgE抗体によって起きる花粉症やアトピー、気管支喘息などの1型アレルギーは、免疫機能のバランスの崩れが問題です。マクロファージやTh1型のT細胞は、Th2型のT細胞が産生するIgE抗体の産生を抑えます。
 インターフェロン・インデューサーはマクロファージを活性化して、アレルギーを引き起こす元になるIgE抗体の産生を抑制する働きがあります(表5)。

〈皮膚のバリアの強化〉
小 島 皮膚は私たちの体を病気から守る最大のバリアです。病気の予防のために皮膚を鍛えるということは昔からいわれていますが、皮膚の衰えは健康の赤信号で す。 発生学的には大腸も皮膚も呼吸器と同じ系統に属します。皮膚には外界からの異物の進入を防ぐため、たくさんのマクロファージが働いています。
  インターフェロン・インデューサーはこれらのマクロファージを活性化します。微粉末のインデューサーを水で練ったり、エキスにしたインデューサーを内服し たり、鼻の粘膜や皮膚に塗ることで細菌やウイルスの感染への抵抗力をつけ、代謝を良くすることが実験的に証明されています。

〈がんの予防と再発防止〉
小島 健康な人でも日常的にがんが発生しているといわれています。
  しかし、調和のとれた免疫の働きでその増殖が抑えられています。老齢や体力の衰えで免疫の調節作用がくずれるとがんは増殖し発病に至ります。また、長寿が んといって、高齢で亡くなった人を病理解剖するとがんが見つかることも珍しくありません。これらは上手にがんと共存して天寿を全うする例です。
 免疫学的にがんを予防し、また再発を防ぐには活性マクロファージの働きが極めて重要です。
  がんに対してはNK(ナチュラルキラー)細胞が有名ですが、増殖のしやすさや細胞数からもマクロファージの働きには及びません。マクロファージがIFN・ インデューサーなどで活性化すると10~20倍増えるのです。また、マクロファージが活性化しなければ、NK細胞も十分な働きができないのです。
 マクロファージはその他のいろいろな腫瘍壊死因子と連携してがん細胞を消化してしまうのです。
 食の改善によってがんのリスクを減少させ、IFN・インデューサーによって身を守るように心がければ、細胞が健康になって、がんだけではなく、O157もMRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)もそう怖いものではありません。


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