最近読んだ本
- カテゴリ：小説/詩
- 2011/06/18 19:03:14
宮部みゆきさんの「あんじゅう」を読みました。
中には怖い話がいっぱいあります。
特にタイトルになっている「あんじゅう」は実は「暗獣」でお化け屋敷にすんでいるお化けなのです。でも南伸坊さんの表紙の挿絵ではまるくでちょっとかわいい「くろすけ」というお化けです。
このくろすけの正体が何かは明かせませんが、人なつっこく、この屋敷にすみ始める老夫婦が気になって暗がりから出てきます。好奇心いっぱいの子供のようです。
老夫婦の奥さんが台所にヤマイモをすりおろして鉢に入れて置いていたら、くろすけが見に来て、見つかりそうになってあわててひっくり返し、頭からヤマイモをかぶってしまいます。ヤマイモに少しでも手が触れたらかゆくなるくらいですから、これを頭からかぶったらどうなるでしょう。
ひりひり痛んだのです。それでくろすけが隠れたけれど暗がりで泣いている声が聞こえたそうです。奥さんはやさしく「水で洗うといいよ」と言って桶に水を汲んで置いておくと、いつの間にか水がなくなっていたそうです。こうやって「くろすけ」と言う名前をつけてやって、くろすけとの交流が始まるのですが・・・
いい話でした。泣けました。
