名前を消した男 27
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/05/16 17:27:38
僕は歩いて岩泉に行くしかなかった
この村から岩泉までは5時間ぐらい歩かなければならない
「岩泉に着くのは夜だな」
僕はぽつんと独り言を呟いた
岩泉にはJR岩泉線終点の岩泉駅があり、そこからJR山田線の茂市(もいち)駅まで行くと宮古か盛岡に行く事が列車でもバスもできるようになる
僕は帰りたかった
けれ...
僕は歩いて岩泉に行くしかなかった
この村から岩泉までは5時間ぐらい歩かなければならない
「岩泉に着くのは夜だな」
僕はぽつんと独り言を呟いた
岩泉にはJR岩泉線終点の岩泉駅があり、そこからJR山田線の茂市(もいち)駅まで行くと宮古か盛岡に行く事が列車でもバスもできるようになる
僕は帰りたかった
けれ...
山奥の沼に住むという、頭に枯れ葉をつけたカハッパ
女人が沼に近づくと現れ
「これをお食べ」
と言ってタコウィンナーを差し出す
女人がタコウィンナーに手を出すと
その手をつかんで沼に引きずり込んでしまう
昔か今か
ある時ある女性が山で道に迷いカハッパの住む沼まで来た
「この沼、なんかキモイ」
女性がそ...
もう三月だというのに東北だけでなく日本は寒気に覆われまだ冬の寒さだった
村の避難所に着いた僕は精神的にも体力的にも疲れ限界であった
避難所はまだ新しく今日的な建物だった
入り口には受付があり避難者名簿に記入するようになっていた
僕は「ホテル客の友人を捜してる」と言って中に入れてもらった
避難所には沢...
僕は避難所に行くことにした
避難所は海と反対の高台に行けばあるはずだ
『そこへ行けば寒さから逃れて眠れるし空腹も満たされる』
僕はそう考えた
明るくなって町の悲惨な状況がより見えるようになったその全体の細部まで見るとことで、これが本当だと肌で感じた
津波の凄まじさが大きく本当に伝わってきた
『こんな...
田野畑村の羅賀も津波によって壊滅的被害を受けていた
県道沿いに港に出た時、僕はそれを知った
三陸鉄道の列車を乗せたような水門を残してすべてが消えていた
僕はホテルへの道を急いだ
夜が明けるまでにホテルに着きたかった
僕の過去を知られないためだ
『ホテルは高台にあり津波の被害は受けてないだろ』
僕はホ...