ジョーカーの冬から夏の国より~その4
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/06/24 01:00:38
暑い。
最初こそ気温の上昇を、「夏が羨ましいわね」と甘く考えていた。しかし、ものの数分で汗が滲み始め、足取りもだんだん重くなる。
「はあ、水が欲しいわ」
「まったくだ。これは酷い暑さだな」
グレイも参っている様子で、ネクタイを緩めていた。当然、ふたりともコートなどとっくに脱いで、脇に抱...
情熱$袋だったらいいのに……
暑い。
最初こそ気温の上昇を、「夏が羨ましいわね」と甘く考えていた。しかし、ものの数分で汗が滲み始め、足取りもだんだん重くなる。
「はあ、水が欲しいわ」
「まったくだ。これは酷い暑さだな」
グレイも参っている様子で、ネクタイを緩めていた。当然、ふたりともコートなどとっくに脱いで、脇に抱...
今日のココアは甘さ控えめだ。
「うん、美味しいわ。……それで、グレイはどうしたの? ユリウスに用事ってことは、やっぱりナイトメア関連かしら」
グレイの整った口元が引き攣る。
「否定できないのが苦しいな。時計屋、ひとつ頼みが――」
「断る」
ココアまで用意し...
クローバーの塔でも人気の少ない階段を登った先に、時計屋ユリウスの部屋がひっそりと隠れている。アリスは窓ガラス越しに雪景色を眺めながら、博学な部屋の主に尋ねてみた。
「ユリウス、あたなはそうめんって知ってる?」
「そうめん? 知っているとも。少し変わった食べ物だ」
時計の修理に没頭しているよ...
「そうめんが食べたい」
執務室に入って五分と経たないうちに、塔の主ナイトメアは愚痴を呟き始めた。
「私は今、無性にそうめんが食べたいんだ」
同じ部屋にいるのは、彼の補佐兼見張り役のアリスだけ。間違いなくナイトメアは、アリスに聞かせるつもりで呟いたのである。
しかしアリスには、彼の要求す...
劇場版『ハートの国のアリス』ですよ!!!!!
つーわけで近いうちにもう一本アリスSSをUPするです、はい。