モンスターハンター 勇気の証明~五章 27
- カテゴリ: 自作小説
- 2011/10/28 13:01:27
【ナイトの仕事】
――無謀な作戦だったと思うかね?
人気(ひとけ)のないロックラック市街を歩きながら、ロジャーはギルド本部長のひょうひょうとした声を思い出していた。ナイトの制服でもあるギルドバードではなく、私服姿だ。
快活な印象をグロム達に与えていた彼だが、普段はおとなしい青年である。そう装...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【ナイトの仕事】
――無謀な作戦だったと思うかね?
人気(ひとけ)のないロックラック市街を歩きながら、ロジャーはギルド本部長のひょうひょうとした声を思い出していた。ナイトの制服でもあるギルドバードではなく、私服姿だ。
快活な印象をグロム達に与えていた彼だが、普段はおとなしい青年である。そう装...
【昼間の戦場】
ランマルにはああ言ったものの、「なんとかする」自信などユッカにはなかった。
笑顔を見せたのも建前で、本当は不安で不安で、胸が押しつぶされそうだったのだ。
食事は無理やり胃の中につめこみ、夜はまんじりともできなかった。それでも身体は疲れていたので、目を閉じたらいつの間にか眠って...
【赤い夜明け・承前】
特例として、そのジエンは集団で狩ることを許された。見事倒せれば、報酬は山分け。しかし、とどめを刺した者には、それだけ多く金とジエンの素材が支払われる。
示された破格の金額に、誰もが怪しむことはなかった。内外から大勢のハンターが名乗りをあげ、次々と船に乗り込んだ。
シンも...
【赤い夜明け】
黎明は、砂のせいで赤くなるだろう。
甲板で望遠鏡をのぞいていたランマルは、険しい表情でネコ髭をぴくぴくさせた。
東に陣取った砂塵の壁は、徐々にこちらへ近づいているようだ。船の進路は西。ロックラックの方向である。ジエンを止めるためとはいえ、砂嵐にも追われるような状況は、良い気分...
【最悪のチームワーク】
メンバーの中では一番冷静なユッカが当たり散らしたのは、後にも先にもこれが初めてだった。
修羅場をくぐりぬけているとはいえ、いつもとは比べ物にならない巨大なモンスターが、これまた逃げ場のない船上に襲いかかってきた恐怖は、対峙した者でなければわからない。
ユッカがバリスタ...