モンスターハンター 騎士の証明~8
- カテゴリ: 自作小説
- 2012/06/08 08:33:31
【もの思う騎士】
「……納得いかねえ」
薄暗い船内で、岩のような顔つきをしたボルトが、ぼそりとつぶやいた。上目づかいに空を睨む眼光は、ドスランポスも尻尾を巻いて逃げだそうかというほどだ。
「……納得いかねえっ」
ドン、とボルトはテーブルを...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【もの思う騎士】
「……納得いかねえ」
薄暗い船内で、岩のような顔つきをしたボルトが、ぼそりとつぶやいた。上目づかいに空を睨む眼光は、ドスランポスも尻尾を巻いて逃げだそうかというほどだ。
「……納得いかねえっ」
ドン、とボルトはテーブルを...
【新たな事実・2】
「――そうか!」
はっとして、ブルースは自分の拳を手のひらで打った。
「密猟団、あるいはその類の組織と接触するために用意したのか。モグリのハンターが多い奴らだ、正しくカードを見分ける目を持つ奴は、まずいない。とりあえず目をしのげばいいからな」
「そういうことだね。彼女達が見せ...
【新たな事実】
「申し訳ありませんでした!」
ギルドマスターを前に、ブルースは深々と腰を折った。傍らのボルトは、呆然と「アンデルセンちゃんが……」とつぶやいている。
ハンターズギルド本部3階の最奥に、ロックラックギルドマスターの部屋はあった。切りぬかれた窓から夜明け...
【かわいい猫にご用心】
ブルースとボルトがナイトの詰め所に戻る途中、石造りの廊下の向こうで、なにやら騒ぐ声がした。
「なんだぁ?」
ボルトが目を細めて様子をうかがう。ブルースは小首を傾げた。
「あれはアイルーのようだが……」
「行ってみようぜ」
顔を見合わせ、二人...
【百兎と金猫】
ウサギと猫。
取調室の二人を前にして、ブルースとボルトはロジャーが言った意味がわかった。
壁際のランタンが頼りない明りを投げかける、薄暗い地下の一室。中央に置かれた木製のテーブルの前に、二人の女が並んで座っていた。
重要参考人として連れてこられているので、ハンターである彼...