モンスターハンター 騎士の証明~88
- カテゴリ: 自作小説
- 2013/07/30 13:45:32
【遺して往(ゆ)く、想いは・1】
アルバトリオンにまつわる伝承の類は一切ない。それだけ人類の歴史において目撃数が少ないことの表れであり、姿を見て生きて帰ってきたものもまた、ごくわずかだからである。
逆巻く鱗に覆われた姿は闇のようであり、また光のようであると、大昔の書士隊の手記は語る。
ある古...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【遺して往(ゆ)く、想いは・1】
アルバトリオンにまつわる伝承の類は一切ない。それだけ人類の歴史において目撃数が少ないことの表れであり、姿を見て生きて帰ってきたものもまた、ごくわずかだからである。
逆巻く鱗に覆われた姿は闇のようであり、また光のようであると、大昔の書士隊の手記は語る。
ある古...
【アルバトリオン】
何かが存在する、とギルドマスターが断言しても、誰も異を唱えなかった。それは、この世界に生きる者の常識として頭に染みついているからだ。
モンスター。大自然の具現者ともいえる彼らは、時に、人知を超えた力で自然現象をも操る。
たとえば、南方の火山帯に暮らす火の国の一族は、常に活...
【新たな胎動】
「ふうむ……なるほどねぇ」
ロックラックギルド本部。街のにぎわいもやや治まりを見せた深夜、ギルドマスターの老人は執務机の上で足をぶらぶらさせながら、ロジャー達を前に報告書の束を読んでいた。
「好しと悪しが半々、てところですねぇ」
ロジャーをはじめ、ボ...
【生きようとする、命は】
「リオレウス――なぜここに!?」
見上げたブルースは、とっさに腰のポーチに手をかけていた。だが、その手首をザインが抑える。
「待て」
「何をする! このままでは――」
「閃光玉は、よせ。今は様子を見ろ」
錆びた鉄の声に、ブルースはそれが正しいと知った。ザインに手首をつ...
【不滅の飛竜】
「しまった!」
燃え盛る炎に巻かれる中、白い煙が漂ってくるのを見て、ブルースが瞠目する。
「どこ行くんだよ!」
両目に機械を埋め込まれたディアブロスと奮戦していたボルトが、身を翻したブルースに驚いて叫ぶ。ブルースは、煙が流れていく方向へ走りかけ、振り向いて怒鳴った。
「誰かがけ...