モンスターハンター 騎士の証明~118
- カテゴリ: 自作小説
- 2014/01/31 11:42:06
【脱出】
新たに気流が起きていた。
ぐらぐら揺れる縄梯子(はしご)を伝って、ロジャーを背負ったブルースを先頭に、ボルトとトゥルーも飛行船へ乗り込む。
甲板へたどり着いたところで、少年兵が機械を操作して、特殊鋼製の縄梯子を巻き戻して収納し、引き戸になっている舷側の柵を閉じた。船橋へ手を振ると、...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【脱出】
新たに気流が起きていた。
ぐらぐら揺れる縄梯子(はしご)を伝って、ロジャーを背負ったブルースを先頭に、ボルトとトゥルーも飛行船へ乗り込む。
甲板へたどり着いたところで、少年兵が機械を操作して、特殊鋼製の縄梯子を巻き戻して収納し、引き戸になっている舷側の柵を閉じた。船橋へ手を振ると、...
【大地の底に眠れ】
「もうっ、皆さん無茶なんだから……!」
涙交じりにトゥルーが3人を睨む。ボルトは苦笑したが、横たわるロジャーは青ざめていた。苦しげに目をつぶり、一呼吸するにも脂汗をにじませている。貧血を起こしているのか、目の下も薄黒かった。
「あばらが折れているん...
【紅蓮のロジャー】
力が入らない左足が何度も体勢を崩す。無事な右足でバランスを取りながら、ロジャーはアルバトリオンの眼前まで迫った。
裂帛の気合いを込めて踏み込み、猛然と逆巻く角めがけて斬りかかる。腕が何本にも映るほどの連撃に、身動きが取れないアルバトリオンはただ耐えるしかない。
何物も弾く...
冬におすすめとふられて、どう答えるか。
こたつに入ってのんびり読めるような本といえば、私なら角田光代の「よなかの散歩」をあげましょうかねぇ。
小説じゃなくてエッセイですが。
文豪角田氏が、主婦向けのライトな雑誌「オレンジページ」にて今も連載している短いエッセイ集です。
角田さんが日々感じたこと...
【ヒトの証】
足場を踏みしめたその先で、がくんと膝が折れる。左の足首が鈍く痛かった。腱は無事なようだが、身体がもう立つなと言っていた。
それでもロジャーは、空中に支えを求めるかのように懸命に両手を振り、バランスを保った。背中の双剣を杖にする愚は犯さない。刃こぼれしてしまっては、強固な鱗を斬りつ...