Nicotto Town



アスパシオンの弟子50 舞台劇(後編)

「……で。どうして僕をまたウサギにするんですかぁ!」  数日後。 ウサギ姿の僕は長い耳をびんびん立てて我が師に訴えました。  我が師は寝台で枕を抱いて丸まっていじけ顔。  そんな事言ったって、と黙って庭園の方を指差し深いため息。 「ウサギい~。きゃぁ~♪」  包帯が半分取...

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アスパシオンの弟子50 舞台劇(前編)

 薔薇乙女一座に入っていくとは、兄弟子様はどういうつもりなのでしょうか。  観劇するつもりとか? そ、それはちょっとまずいのでは? 「フィリアちゃんにも話聞いたわ。この劇場、かわいい女の子がいっぱい出るんだって?」  僕はこの国の将軍で、兄弟子さまは摂政のひとり。  鼻の下伸ばして女の子たちを鑑賞す...

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アスパシオンの弟子49 木槍(後編)

 先の革命で破壊されたのは、王家と王都だけではありませんでした。  王立軍はすっかり解体されていて、今のところ国の護りは、地方を治める貴族たちの私軍頼み。  王宮はケイドーンの巨人たちが警護していますが、その数は千人たらず。  とても国防を担える兵力ではありません。 「もしかしたらこれからすぐに、蒼...

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アスパシオンの弟子49 木槍(前編)

 ドドッ。ドドッ。ドドッ。  広い円形競技場を、野太いダゴ馬が一直線に走っています。  馬上には、軽鎧を来た人間兵士。その片手には、一メートルぐらいの短い木槍。その先っぽは、丸められています。  ひゅん、と兵士が向こうから近づく馬上の兵士に槍を投げました。相手の兵士は投げられた槍をさっと空中で掴み。...

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アスパシオンの弟子48  白昼夢(後編)

「おいハヤト、まだ勝負ついてねえぞ。勝ち逃げすんな!」 「うっさいエリク、これダメだ、次の試そうぜ?  えっと、閣議で出たのは排球(ハイキュー)に野球(クリケット)に籠球(ロウキュー)に卓球(ユケムリピンポン)にー……」  大きな毬を捧げ持つセバスちゃんが、指折り数える我...

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