Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・12

 アリシアはああ言っていたが、ランドはそこまで愚かではないし、弱い人間でもない。もちろんそれは、家族であるアリシアやサマルトリア王がよく知っていることだ。
 ただ城の人間は、ここ一番でランドを信用しきれていない風はあった。本当に彼に任せていいのかと、どこか頼りない印象が付きまとっているからである。
...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・11

「ロラン? お兄ちゃんがよくお話ししてた人?」
「そうでございますよ、あのロラン王子様でございます。姫様、どうぞごあいさつを」
 かしこまって女官がアリシアの後ろに控える。先にロランが膝を突き、アリシアの目を見つめた。
「初めまして……じゃないかな、君が赤ん坊のころ、一度...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・10

【のんき者の王子】

 深い森の小道を、少年が一人、東へ向かって歩いていた。
 春が進んで、日を追うごとに濃くなっていく木々の緑にも劣らぬ緑色の前掛けに似た長衣をまとい、ふくらはぎに届く長い橙色のマントをひらひらさせながら。
 風よけの眼鏡を付けた皮のかぶり物からは、赤みがかった豊かな金髪がボサボサ...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・9

「さっき、店から男の子が出てきたんだけど……」
 ふと、あの子どものことが思い出されて、ロランが何げなく口にすると、小隊長は「ああ」とうなずいた。
「その子どもは、店主のかみさんが、ムーンブルクの兵士から預かったそうです。親戚同士だそうで」
「いつから?」
「ムーンブルク...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・8

【南で燃えた赤い空】

「ほうい、あんた。見えてきたぞう」
 おおらかな中年の男の声に、うたたねをしていたロランは、はっとしてまばたきを繰り返した。心地よく揺れる馬車の荷台の中、木箱によりかかっていたら、いつの間にか眠ってしまっていた。
 体を起こして、御者台の方へにじり寄る。商人はうれしそうに草原...

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