自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・25
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/08 10:24:44
「勝負!」
キースは悪魔神官へ向かって斬りかかった。悪魔神官は、両手の棍棒を軽々と構え、交差させて剣を受けとめる。ぎりぎりと押し返しながら、キースは背後のルナへ向かって叫んだ。
「姫様、今のうちに! お逃げください、早く!!」
ルナはひどくふるえながら、かぶりを振るだけだった。さっきまでは逃げる...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
「勝負!」
キースは悪魔神官へ向かって斬りかかった。悪魔神官は、両手の棍棒を軽々と構え、交差させて剣を受けとめる。ぎりぎりと押し返しながら、キースは背後のルナへ向かって叫んだ。
「姫様、今のうちに! お逃げください、早く!!」
ルナはひどくふるえながら、かぶりを振るだけだった。さっきまでは逃げる...
同時刻。城内の西にある拘留所の牢で、鎖につながれた仮面の男はゆっくりと顔を上げた。目の部分には、翠色をした大きく丸い宝玉が一つきり。口に当たる部分には、長方形の穴が開いている。廊下の灯火に、その穴が上向きに歪んで見えた。
嗤いの形に。
「む? なんだ、空が急に暗く――」
まだ昼間だというのに、...
【悪夢こそが我が絆】
暗い眠りから目が覚めて彼女が気づいたのは、立てない、ということだった。
両腕と両脚はまっすぐ前に伸び、四つん這いで"立つ"ことはできる。
だが腰から下の脚で地面に立つことが、とても不自由になっているのだ。
彼女は何度も後ろ脚で立とうとした&hell...
「ラリホーアントに、鎧ムカデ?!」
ランドはたじろぎ、後じさった。なまじ知識があるだけに、その恐ろしさも知っているからだろう。薄紅色の巨大アリが数匹と、血の色の外殻を持った巨大ムカデが魔術師の周りを固める。半ば立ち上がったムカデの大きさは、見上げるほどもあった。
ロランはランドを振り向いた。
「...
岩山の峡谷を抜けて一日半歩くと、広大な草原が広がった。遠くには山脈が青く見える。そのふもとに、目指す湖はあった。
「広いなあ……」
ロランは、ほうっと息をついて眺めた。幼いころ一度訪れたが、その記憶と変わらず湖は広々としていた。午後のけだるい日射しに、湖面は...