自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・44
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/17 23:44:52
「黙っててごめんなさいね。確証がなかったから、あえて言わなかったの。期待して来て、だめだったらがっかりしちゃうでしょ?」
「それはいいけど、旅の扉が使えると良かったのか?」
ロランが言うと、ルナは少し肩をすくめた。
「ええ。ドラゴンの角に行かなくて済んだはずなの。ここの旅の扉を経由すれば、ルプガナ...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
「黙っててごめんなさいね。確証がなかったから、あえて言わなかったの。期待して来て、だめだったらがっかりしちゃうでしょ?」
「それはいいけど、旅の扉が使えると良かったのか?」
ロランが言うと、ルナは少し肩をすくめた。
「ええ。ドラゴンの角に行かなくて済んだはずなの。ここの旅の扉を経由すれば、ルプガナ...
【西の大砂漠紀行】
夜明けの清浄な光さえ拒むムーンブルク城下町の前に、ロランとランド、ルナが立っていた。瘴気が立ちこめている場所とそうではない所は、まるで線引きでもされたかのように見た目でもはっきりしている。ロラン達は、その境目にいた。
かつてここは、文字通り世界の中心地だった。西からの隊商が...
「あれは!」
部屋の中央に、首のない人の上半身を模した人形があり、それに青く美しいマントが掛けられていた。ロラン達は我先にと駆け寄った。
「これじゃないか?」
「ええ、間違いないわ、風のマントはこれよ!」
「うわあ、きれいだなぁ……本物の鳥の翼みたいだよ」
そのあまり...
「私、焦ってたみたい……。早くハーゴンのもとへ行って、お父さま達の仇(かたき)を討ちたい。気がついたらいつも、そのことばかり考えているから」
「うん。わかるって言っちゃいけないけど、……わかるよ」
ランドらしい言い方に、ルナは癒されたように微...
【風の塔】
百里が浜からさらに南下し、海につながる支流の橋を二つ越え、ロラン達は風の塔の立つ平原まで来ていた。
浜で釣った魚を食いつなぎ、平原に向かう途中の森林地帯で食べられる木の実を採取し、川でまた魚を釣った。時期が良かったので、ここでも大漁を得られたものの、今が冬でなくて本当に良かったとロ...