自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・39
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/14 00:44:03
ムーンペタから北上して数日後、3人はムーンブルク東側の名物、百里が浜を歩いていた。砂浜があまりに長く続くので、百里が浜と呼ばれるのは無理もなかった。
日差しは強く、ルナは日焼けを嫌って頭巾を目元まで降ろしている。ロランは細かい砂を歩きながら、潮風を胸一杯に吸いこんだ。
「いいな、この匂い。落ち着...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
ムーンペタから北上して数日後、3人はムーンブルク東側の名物、百里が浜を歩いていた。砂浜があまりに長く続くので、百里が浜と呼ばれるのは無理もなかった。
日差しは強く、ルナは日焼けを嫌って頭巾を目元まで降ろしている。ロランは細かい砂を歩きながら、潮風を胸一杯に吸いこんだ。
「いいな、この匂い。落ち着...
風の塔。そこに、いにしえ人(びと)が作った〈風のマント〉があるかもしれないと、ルナは言った。
風のマントは、身に着けて高い所から飛び降りると、風をはらんである程度の距離を滑空できるのだという。とても軽い素材で仕立てられている上、そうなるよう、何らかの魔法がかかっているらしい。
空を飛んでの移...
第二章 勇者航路
【いざ、南へ】
行けども行けども、森の中。密生した木々の中を、3人の少年少女が足早に進んでいく。
森の中には、かろうじて、南に続く小道が残っていた。長い間手入れされていない部分は、倒木や灌木にふさがっていたが、青い服の少年が軽々とそれらをどかし、あるいは切り払い、残る二人が...
「うそ……だろ……」
かすれた声で、ランドがつぶやいた。
「不死者(アンデッド)? キースって人、最初から死んでたの?」
「……ああ。僕は、彼に触れた時に、そうじゃないかと思ってた」
「――なんで教えてくれなかった...
【決意】
フィリアの宿にルナを連れて行くと、フィリアはもちろんルナの顔を覚えていて、涙を流して無事を喜んだ。
心づくしのもてなしに、ロランとランドの疲れも癒されたが、ルナの表情は硬いままだった。
翌朝すぐに、ルナはムーンブルク城へ行きたいと二人に頼んだ。断る理由はなかった。
「ランド、その杖...