自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・34
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/11 16:12:28
ルナは、ムーンペタの教会付近に二人を連れてきた。そこには天幕がいくつか張られていて、数十人の人々が生活しているようだった。
ロランとランドはすぐにわかった。ムーンブルク城下町から逃げてきた難民の仮住まいだということに。
教会から数人の尼僧が出てきて、炊き出しを始めた。みすぼらしい服装の人々が列...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
ルナは、ムーンペタの教会付近に二人を連れてきた。そこには天幕がいくつか張られていて、数十人の人々が生活しているようだった。
ロランとランドはすぐにわかった。ムーンブルク城下町から逃げてきた難民の仮住まいだということに。
教会から数人の尼僧が出てきて、炊き出しを始めた。みすぼらしい服装の人々が列...
ひとまず塔の位置を地図に記すと、二人は丘を下りて池へ向かった。気候が良いせいか、魔物はさほど襲ってはこず、森を分け入って先へ進む。
ムーンブルクはローレシアより南にあるせいで、植物も豊かだ。だが、みっしりと生えた木々が徐々に減り、枯れ木が目立ってくると、ロランとランドは不審そうに顔を見合わせた。...
【ラーの鏡】
「まだ怒ってるのか」
「……別に。ロランって、意外と冷たいんだなって思ってただけさ」
騎士の教えてくれた土地まで、残った食料でも行けると踏んで、ロランとランドはムーンブルクの廃墟を出たのち、すぐに東へ向かうことにした。
体は疲れていたが、まずは夜通し歩...
ロト王族同士で、避難路のありかは伝えられていた。
ムーンブルク城中央にある庭園は、一度城の外に出て壁沿いに下り、城南西壁にある別口から入らないと行けない。薬草も残り少なく、次々と襲いかかってくる魔物に手を焼きながら、二人は苦労して庭園に入った。
美しく整えられ、咲き誇っていたであろう草花や木々...
それからも無数の遺骸を目にしながら、無言のうちに二人は城へと着いた。美しかった外壁は血と泥にまみれ、煤(すす)で黒く穢されていた。見上げるのもわずかの間。二人は入り口をくぐった。
(頭が痛い……瘴気のせいなのか)
歩くごとに、頭痛が響く。体が倦怠感に満たされつつあり、...