自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・71
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/09/29 01:59:41
壁が崩れて外がむき出しになった回廊を、老爺は影のように歩いた。風がまともに吹きつけ、ロラン達は風圧にあおられて通路から足を踏み外さないよう歩くのがやっとだったのに、老爺は足取り乱さず先を行って、次の階段で待ちかまえている。
まともな人間でないことは十分にわかったが、さりとて今は、どうすることもで...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
壁が崩れて外がむき出しになった回廊を、老爺は影のように歩いた。風がまともに吹きつけ、ロラン達は風圧にあおられて通路から足を踏み外さないよう歩くのがやっとだったのに、老爺は足取り乱さず先を行って、次の階段で待ちかまえている。
まともな人間でないことは十分にわかったが、さりとて今は、どうすることもで...
「どう思う、ロラン」
また3階へ戻りながら、ルナが訊いてきた。ロランはすぐに答えることができた。
「旅の扉が、ベラヌールにあるんだ。きっとそれが、ロンダルキアのどこかにつながってるんだ」
「そうよね。私もそう思ったわ。でも噂でしか伝わってないってことは、ベラヌールはそれを隠してるんだと思う」
「神...
ランドの言い方はまわりくどかったが、つまり、かがり火のついていない部屋の階段は行かない方が良いということだ。他と明らかに違うからといって、それが正解とは限らないからである。
すると残るは三つ。選ぶ根拠もないので、一つ一つ確かめることにした。
ロラン達は何度も行き止まりに突き当たり、来た回廊を戻...
ランドの予測通り、夕方、アレフガルドと大灯台島の中間で黒雲が湧き起こった。ルプガナから航海して初めての嵐だ。
船は横波に甲板を洗われ、上下左右に激しく揺れた。船や海に慣れたロランはともかく、ランドとルナがひどい船酔いに襲われた。
「二人とも、頑張れ! 体をぶつけないように、どこかにつかまってろ」...
【星と老人】
薄闇の中、コウモリに似た翼を持つ紫の毛皮の大猿が床に浮かぶ大きな地図を見おろしていた。輝く三つの光点が、アレフガルド大陸から南へ移動している。
三つの光のうち、真ん中の一つは残る二つより光が弱々しかった。
「ハァハァハ……。さすが、勇者の血筋...