自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・99
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/10/21 11:20:47
【怪盗のゆくえ】
絶海の孤島ザハンに、怪盗ラゴスが現れた――。
どこかで聞いたと思ったら、ロラン達は以前、その名を耳にしていたのだった。
山奥で古代からの水門を管理するテパの村で、ラゴスは水門の鍵を盗んだ後、姿をくらましているといわれていた。
情報の出所は、バルドスとの朝食の席だった。...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
【怪盗のゆくえ】
絶海の孤島ザハンに、怪盗ラゴスが現れた――。
どこかで聞いたと思ったら、ロラン達は以前、その名を耳にしていたのだった。
山奥で古代からの水門を管理するテパの村で、ラゴスは水門の鍵を盗んだ後、姿をくらましているといわれていた。
情報の出所は、バルドスとの朝食の席だった。...
【タシスンと金の鍵】 波は穏やかで、日差しは暖かかった。風向きも順調で、船倉は捕った魚で満杯だ。まさに順風満帆の航海だった。
取引先のペルポイ港へ北上しながら、タシスンを乗せたザハンの漁船は、仲間の陽気な声で満ちていた。甲板では、当番ではない者が早くも酒をあおり、カード遊びに興じているが、誰も文句...
さんざんバルドスの武勇伝につき合わされ、長い晩餐が終わると、夜半を過ぎていた。城に泊まっていけと言うバルドスの好意に甘え、ロラン達は客室に通された。
いろいろなことがあって疲れているはずなのに、ロランは天蓋付きの寝台に横になっても寝つけなかった。隣のベッドでも、ランドがしきりに寝返りを打っている...
「何っ!?」
バルドスが目を剥いた。ロランが止める前に、キラータイガーは1階の観客席へ飛び移り、逃げ遅れた人々を襲っていた。
「しまった!」
ランドが縁に身を乗り出しすぎ、落ちそうになって慌てて足をじたばたさせ、なんとか戻る。
「おい、なんで魔物が凶暴化した?!」
バルドスが訊くと、ランドは急...
ロランが試合場の中央に進み出ると、観衆はこの日一番の声を張り上げた。司会が告げたローレシアの王子の名に熱狂したのだ。
特に女性の黄色い声が目立つのは、ロランが王子であることと、美しく整った凛々しい顔や、均整の取れたたくましい体つきを持つゆえだ。
しかもロランは陽気ではない。戦いに臨む時、彼の目...