自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・94
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/10/19 11:24:38
「えっ!」
ランドが愕然とした。
「回復もだめですか?」
「もちろんだ。以前、両者が回復魔法で粘りすぎて半日過ぎた試合もあったからな。制限時間をもうけているが、判定もつきにくいから禁止にしたのだ」
「そんなぁ……」
ロランの手助けをしてやりたいが、ランドはまだスクルト...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
「えっ!」
ランドが愕然とした。
「回復もだめですか?」
「もちろんだ。以前、両者が回復魔法で粘りすぎて半日過ぎた試合もあったからな。制限時間をもうけているが、判定もつきにくいから禁止にしたのだ」
「そんなぁ……」
ロランの手助けをしてやりたいが、ランドはまだスクルト...
【惑いの月】
ロラン達が街門をくぐると、どっと歓声が押し寄せてきた。
「なんだろう?」
思わず立ち止まると、中年の衛兵が髭面を笑ませた。
「闘技大会さ。今は下弦の半月だからな。腕に覚えのあるやつらが、賞品目当てに勝ち上がり戦をやってるよ」
「賞品? どんな品ですか?」
ランドが尋ねると、衛兵...
「……」
洟をすする音がして、ロランはぼんやりとかたわらを見た。ランドが起き上がり、しきりにしゃくりあげている。反対側でも、ルナがローブの袖で顔を覆っていた。
「ふたりとも……夢を見たのか?」
「ロランも?」
泣きはらした目で、ルナが問い返...
「……どこかで聞いたような話だなぁ?」
ランドが首を傾げる。ロランは、まさかと思った。
「これって、勇者ロトの日記じゃないか?」
「ええ?!」
「うそっ……! でも、そう言われると妙に真に迫っているわよね、この文章」
ロラン達はまじまじと幹...
【炎の涙】
「あれが世界樹の島?」
「ああ」
ランドは舳先で、霧がかかる峻烈な岩山の孤島を見ていた。かたわらでロランはうなずいた。ランドは感慨を込めて島を見つめていた。
――ベラヌールから船で東へ。ロラン達は再び、世界樹の島を訪れていた。
世界樹の葉に命を救われたランドが、どうしても世界樹を...