アスパシオンの弟子69 父の願い(中編)
- カテゴリ: 自作小説
- 2015/11/01 14:09:50
灯台もと暗しというやつだった。 魔法の糸の行きつく先にノミオスはいた。王都の王宮近くの、森に囲まれた広場に。 宵の口だったが、広場にはかなりの人だかりができていた。 その群がりを遠目から見たとたん、嫌な予感がよぎった。 ポチを木陰に降ろさせていつもの蒸気車の形にする。それから俺たちは急いで...
灯台もと暗しというやつだった。 魔法の糸の行きつく先にノミオスはいた。王都の王宮近くの、森に囲まれた広場に。 宵の口だったが、広場にはかなりの人だかりができていた。 その群がりを遠目から見たとたん、嫌な予感がよぎった。 ポチを木陰に降ろさせていつもの蒸気車の形にする。それから俺たちは急いで...
『破壊。破壊。破壊せよ!!』 痛い……。 『滅ぼせ!!』 痛い……! 焼け付くような痛みが脳髄を襲ってくる。頭の中をずたずたに食いちぎってくるような、すさまじい苦痛が。 脳の中でズキズキガンガン暴れまわる恐ろしい叫び。内側から鼓膜が...