Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。

自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・127

【ドン・モハメ再び】

 聖なる織機を携えたロランが古びた戸をたたくと、仏頂面の小柄な老人が無言で現れた。
「何の用じゃ」
「聖なる織機を持ってきました」
 真昼の光を背に、ロランは穏やかに答えた。老人――最後の匠であるドン・モハメは、ロランの背に輝く金色の箱を見上げた。短く言う。
「入れ」
 北の...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・126

 悪魔神官デモニスとの戦いで愛用の鉄の槍を折られたランドは、ローレシア王から光の剣を譲られていた。
 光の剣は、人が作り出せる武器の最高峰だ。ペルポイの町にも売られていたが、値段も相まって、所持する者は世界にわずかしかいないだろう。
 先の戦いにおいて、ランドもまたロトの剣を振るうことがあった。今ま...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・125

【北のお告げ所】

 船は藍色の海を進んでいた。冷たい風を首筋に受け、ランドがううっと肩をすくめる。
「本格的に秋だねえ。ロンダルキアも寒い所だっていうし、全員分のコートが要るね。山越えの準備もしなきゃ」
「そうだな。どこかで調達しよう」 
 甲板でランドと並び、水平線を眺めていたロランも、本当に寒...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・124

「父上」
 食事が済むと、ロランは父を呼び止めた。
「少し、お話が……」
「うむ、わしもそうしたいと思っていたところだ」
 目が合うと、父はそう言ってうなずいた。ランドは、気を利かせて客室へ戻っていった。
 王の居室にある露台で、ロランは父と共にローレシア城下町を眺めた。...

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自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・123

【ロトの印】

 ルナは落ちこんでいた。
 これまで、どんなことがあっても食事は欠かさなかったのに、その夜は部屋にこもって出てこなかった。
「あとでわしがゆっくり話そう」
 ロラン、ランドとともに夕食を共にしながら、ロランの父は言った。
 悪魔神官デモニスを討伐したのち、ルナはローレシア城の破壊の跡...

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