Nicotto Town



アスパシオンの弟子77 逃亡(前編)

    王子が危ない!  焦ったあまりに、力の加減を忘れた。 トルナート王子たちに剣を振りかぶった相手は、銀色の甲冑を着込んでいた。「革命の盟主。パルト将軍の名の下に」 そいつはわざわざそう言い置いて、剣を振り上げた。「姉さま! 姉さまああ!」「姫さま!」 姉姫にすがっ...

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アスパシオンの弟子76 革命(後編)

 エリシア・プログラム。 それはソートくんが仕組んだ、妖精たちへの絶対命令。 エリシア姫の娘である妖精たちが、メキドという王国を維持存続させるためにとるべきとする、緊急時の行動規範であるそうだ。 それは俺が不在となったときにのみ発動するもので、潜みの塔に住んでいる最年長の妖精が司令塔となり、全妖精に...

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アスパシオンの弟子76 革命(中編)

「ペピちゃん、大丈夫? ふらついてるわよ」  カルエリカ様がよろける俺を支える。 いったいどうしたんだろう。急に幻が見え出して、頭が……目の奥が痛い。 しかし俺はカルエリカ様にすごく気に入られてるみたいだ。俺が一番年少で出来が悪いせいか、何かと目をかけてくれる。 「宮殿内...

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アスパシオンの弟子76 革命(前編)

 爆音。  鬨の声。  けむる空気。  ダゴ馬が駆ける。兵士が走る。ひらめく、たくさんの青い旗。

 怒号。  悲鳴  涙。  ダゴ馬が倒れる。兵士が逃げる。重なっている、たくさんの屍。
「なんだこれは」
 護衛長様に導かれ、王都に入るなり感じたのは。
「なんだこれは?」
 ...

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アスパシオンの弟子75 白き衣(後編)

「メイテリエ!」  護衛長様が、カッとお顔を怒りで染める。しゃがんでいる鳶色の髪の人は、すっ、と立ち上がり、俺たちの方に振り返った。 「引き上げることはかなわぬぞ、アリストバル。ここは聖域ゆえ、「本人の意思」なくば勝手に連れ出すことはできぬ」 「聖域で勝手なことをしているのはおまえだろう!」 「いや...

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