Nicotto Town



アスパシオンの弟子75 白き衣(中編)

「なんだその歌声は。ふざけるな!」  ごめんなさい。護衛長様ごめんなさい。俺はほんとに。おんちで。  ぐずでのろまな魔人です。  善き魔人。  それは、主人に服従する魔人。  そして、魔力が強くて歌が上手な魔人。  目標は遠い。俺は永遠に腰布一枚のままなのか……。 「よし...

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アスパシオンの弟子75 白き衣(前編)

「なんだ、このちんけな魔法の気配は!」  護衛長様の怒鳴り声が白亜の聖堂に響きわたる。 「三鐘瞑想してきて、まだこの程度だと? ふざけるな!」  ごめんなさい。護衛長様ごめんなさい。俺は。ほんとに。落ちこぼれで。  ぐずでのろまな魔人です。 「その虹色の魂はガセか? 始めと全然変わってない...

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アスパシオンの弟子74魔人団(後編)

 冗談じゃない!   俺は焦った。   アイテリオンに操られ、しもべとして誓いを立てるなんて。  それを恐れるがゆえに何百年も隠れていたのに。あと少しというところで……! 「ウサギの魔人よ、あなたの名前は?」  俺はぺぺといいそうになるおのれに渾身の力をこめて抗った。 「...

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アスパシオンの弟子74  魔人団(前編)

『うわあ弟子、これなに?』  あ……お師匠さま……だ。  なんで、ここに? あ、これは……夢、か? 黒い衣の我が師はにこにこ。なんだかとっても上機嫌だ。 『でっけえ! すげえでっけえ! てかこれ、みたことある!』  ...

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11月自作/七五三・筆 「宿り子」(後編)

 さんさんと降り注ぐ木漏れ日の下。  うわあ! と娘が大きな目を見開いて、切り株の上を眺める。  赤毛の青年は狂喜する娘を膝に乗せ、ぐりぐりとその金髪の頭を撫でた。 「どーだ? すごいだろ? 池で魚を釣ったんだ」 『釣ったのは私です。波動で発破をかけました』  切り株のそばに置かれた青年のリュックの...

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