Nicotto Town



アスパシオンの弟子80 着水(前編)

 レモン。レモン。
 その魔人は俺だ。頼むから、妖精たちに伝えてくれ。
 その魔人は、我が君アイテリオンに、利用される――

 ハッと目を開ける。俺にとってはまた、まばたきする一瞬の間。
 今度は、一体どれぐらい経った?
 レモン、教えてく……
 レモン?!
 いつも俺の...

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アスパシオンの弟子79 真空の棺(後編)


 こうして俺は少し動くたびに、赤毛の娘から下界の様子を語られ。幾度も虹色の光を浴びせられた。  口づけをはさんで細切れに聞かされる娘の話では、メキドの情勢は特に混迷を極めているようだった。  にせのパルト将軍を王に立てた摂政ロザチェルリの革命軍は、善政を敷くどころか恐ろしい暴政を行い始めた。妖精た...

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アスパシオンの弟子79 真空の棺(中編)





「おじいちゃん。おじいちゃん、聞こえる?」






 うう?! ここは……紅の木々の森の中、か?  目の前に、レモン色の……スカートの……娘が……いる&hel...

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アスパシオンの弟子79 真空の棺(前編)

 ばさり、とはばたく白い両翼。闇に染まる手足。 盛り上がる胸板。ぶちぶちと千切れる、青い衣。  敵。  敵は、どこだ。  ぶるっと首を振り、地から一気に舞い上がってあたりを見回す。  敵とは、我が君アイテリオン様に仇なすもの。我が君のご意志に反するもの。  俺は、|善《よ》き魔人ペピ。ただちに、主人...

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アスパシオンの弟子78 方舟(後編)

 アフマルは、腕を怪我したアズハルの娘と共に姉姫を抱えてポチ3号に飛び乗り、山岳鉄道の終点である山奥の国に至っていた。 妖精たちはエリシア・プログラムで覚醒した直後、この国に中規模の拠点を作り、そこに潜みの塔と同じような作業施設を配備したそうだ。アフマルはその作業施設に備えつけられている培養カプセル...

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