自作ドラゴンクエストⅡ~悪霊の神々・147
- カテゴリ: 自作小説
- 2016/01/20 00:27:57
「……さっき、そこから入ってきただろう? ほら、その右手の」
「そうかしら? この戦いで、私達、結構動き回ってたわよ。位置がずれたかも……」
「まさか……」
ロランは、もと来た方だと思われる出入り口を見た。まあまあ...
日々感じたことを書いています。
なんとなく、徒然草。
「……さっき、そこから入ってきただろう? ほら、その右手の」
「そうかしら? この戦いで、私達、結構動き回ってたわよ。位置がずれたかも……」
「まさか……」
ロランは、もと来た方だと思われる出入り口を見た。まあまあ...
【鏡合わせの回廊】
1階に戻ると、そこからすぐ北側に上り階段を発見した。迷宮の多くは正しい順路が遠回りに造られているものだが、まず目に付いた階段から行くことにする。
上っている間、ロラン達は無言だった。
地下1階で出会った男の話が、ずっと頭の中で繰り返されているのだ。
ハーゴンが破壊神への...
「私のほかに、大勢の人がいました。魔物は雪の上に私達を下ろすと、ハーゴン様の神殿まで歩けと言いました。みんな薄着で、厳しい寒さの中を歩くなんてできないと泣きましたが、魔物は人が苦しむのを見るのが楽しみなのです……」
「……ひどい」
ランドがぽ...
【命の紋章】
闇の中は濃い死臭に満ちていた。空気は淀んで冷たく、骨の芯から凍りつきそうな冷気が漂っている。ランドが灯明の魔法を使って、ルナのいかずちの杖の先に広範囲を照らす灯りをともしたが、闇はなお深く、先を見通すことはできない。
ロンダルキア台地の胎内は、床も壁も整然と整えられていた。広い空...
ロラン達は半日かけて深い森を抜けた。木々の隙間から見えていた青空は次第に曇り、盆地に広がる枯れた平原を薄暗く見せていた。
盆地の周囲は峻厳な岩山に囲まれている。ロラン達から北側にひときわ高くそびえる山々が、目指すロンダルキア台地だ。
3人は表情を厳しくし、無言でさらに西へと急いだ。やがて平原が...