Nicotto Town



アスパシオンの弟子84 分霊(中編)

「あなたは魔人ではないと思いますが? それにぺぺさんと名乗りましたがそうではありませんね? アスパシオンのペペは時の泉に封印されていますから、あなたは全くの別人でしょう?」

 アイテリオンがピンクのウサギ頭の変態を前にして、すん……ごく嫌そうな顔で眉をひそめている。

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アスパシオンの弟子 84 分霊(前編)

 目を開けなさい  私のいとしい子  白き花咲く野辺であなたは見るの  うつくしいものが飛ぶのを   風はおどり  大地はふるえ  水はさざめき  そして炎は野辺を焼くでしょう
 でもあなたは輝き  燃えずに輝き  うつくしいものは囁くでしょう
 わが主
 そして...

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アスパシオンの弟子83 七一零四(後編)

そんな自分にいらつきやさぐれて、俺は「僕」から「俺」になった。
 すっかり嫌われたと思ってたのに。
 二十年後、アイダさんのお葬式にこそっと参列したら、俺宛ての遺言状を街の介護課の役人から渡された。
 あの文面。いまだに一言一句覚えてる。

『ピピ様。あなたを傷つけてしまったこと、今でも大変申し訳な...

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アスパシオンの弟子83 七一零四(中編)

『ピピ。ピピちゃん……』

 ちょっと。そんなにぎゅうぎゅう抱きしめないでよアイダさん。

『ああほんと、毛ざわり最高っ』

 いくらモフモフの獣が大好きだからって、俺をウサギにして夜通し抱っこで就寝とかさぁ。これじゃどこかの師匠と変わらないよ。ていうか、我が師よりもべっ...

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アスパシオンの弟子83 七一零四(前編)

神聖暦7104「うー……」「ピピさん。どうしたんですか?」
「あ、アイダさん。また割れちゃったんです」
「あらーほんと。見事にまっぷたつですねえ」

 天に浮かぶ八番島。
 その統一王国時代の設備が整った工房で、銀髪のきれいなメニスが割れた目玉をつまみ上げてころころ笑う。...

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